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Agua De Beber(おいしい水)

  • 作曲: JOBIM ANTONIO CARLOS
#ボサノバ#スタンダードジャズ
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Agua De Beber(おいしい水) - 楽譜サンプル

Agua De Beber(おいしい水)|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Antonio Carlos Jobim(ジョビン)の代表的ボサノヴァ「Água de Beber」は、日本で「おいしい水」として知られる。原詩はVinicius de Moraes、英語詞はNorman Gimbel。ポルトガル語版・英語版ともに広く録音され、現在はジャズ・スタンダードとして定着。初出年や初演盤は情報不明。題名は直訳で“飲み水”の意で、歌詞は水を愛や生命力の象徴として扱う。

音楽的特徴と演奏スタイル

サンバ由来の2拍フィールに、ナイロン弦ギターの分散和音とシンコペーションが重なる王道のボサノヴァ。ミディアムテンポ、控えめなダイナミクス、拡張和音とII–V進行を基礎にした流麗な和声が特徴。ヴォーカルは息を含む柔らかな発声が合い、メロディの反復が“水の流れ”を連想させる。インストではピアノやギターが主旋律、フルートやサックスが対旋律を担い、パーカッションは控えめに色付けするのが定番。

歴史的背景

1950年代末〜60年代初頭のリオで興ったボサノヴァ運動の只中で誕生。ジョビンとデ・モラエスの名コンビが生んだ楽曲の一つとして、のちに米国レーベル経由で国際的に普及した。英語詞の存在がジャズ/ポップ両市場での浸透を後押し。曲名由来に関する逸話はあるが、確定情報は情報不明。

有名な演奏・録音

・Astrud Gilberto「The Astrud Gilberto Album」(1965)— 透明感ある英語歌唱で定番化。 ・Sérgio Mendes & Brasil ’66(1966)— 洗練されたポップ寄りアレンジ。 ・作曲者ジョビン自身の録音— オーケストラルから小編成まで多様。 そのほか多くのジャズ歌手・ギタリスト・ピアニストが取り上げ、ヴォーカル/インスト双方でレパートリー化している。映画・ドラマでの特定の使用情報は情報不明。

現代における評価と影響

現在も世界のセッションで頻出し、音楽教育でもボサノヴァ入門曲として扱われる。発音とリズムの両面を学べるため、ヴォーカリストや伴奏者の基礎曲として重宝。配信時代にはプレイリストやカフェBGMの定番となり、ボサノヴァの象徴曲としてブランド価値を保ち続けている。

まとめ

簡素で気品あるグルーヴと豊かな和声を併せ持つ「おいしい水」は、歌でもインストでも映える普遍性を備え、時代と国境を越えて愛されるスタンダードだ。