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You Fascinate Me So

  • 作曲: COLEMAN CY
#スタンダードジャズ
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You Fascinate Me So - 楽譜サンプル

You Fascinate Me So|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Cy Coleman作曲、作詞はCarolyn Leighによる英語歌。アメリカン・ソングブック系のジャズ・スタンダードとして歌い継がれている。初出年は情報不明だが、1950年代後半の作風を色濃く示す都会的なラブソングで、ヴォーカル作品として広く親しまれている。タイトルが示す通り、相手への強い魅了を洒脱に描く一曲で、クラブからコンサートホールまで幅広い場面で演奏される。

音楽的特徴と演奏スタイル

都会的で洗練されたメロディが魅力。半音階的な動きと滑らかなフレーズが、機知に富む歌詞と呼応し、微妙なニュアンスの変化を生む。テンポはミディアム・スウィングや軽やかなボサノヴァで演奏されることが多く、リハーモナイズにも耐える和声の懐の深さを持つ。ヴォーカルは語り口のコントロールが要で、言葉のアクセントとレガートの配分が表情の鍵となる。インストでも旋律線の美しさが引き立つ。

歴史的背景

作曲者コールマンと作詞家キャロリン・リーは同時期に“Witchcraft”“The Best Is Yet to Come”などを手がけ、軽妙洒脱な都会派ソングで評価を確立。本曲もその系譜にある一編で、ブロードウェイやキャバレイ文化とジャズ・クラブの接点で育まれたレパートリーと位置づけられる。ショウビズの洗練とジャズの即興性が自然に融合し、以後のシンガーにとって語法の指標となった。

有名な演奏・録音

録音ではブロッサム・ディアリーの軽やかな歌唱が基準点としてしばしば言及され、ペギー・リーの解釈も知られる。以降、多くのジャズ・シンガーや小編成コンボが取り上げ、ピアノ・トリオ伴奏やギター主体のアレンジなど、多彩なサウンドで録音が重ねられてきた。映画やTVでの使用状況は情報不明だが、ヴォーカル・リサイタルやクラブ・シーンでの定番として確固たる地位を保つ。

現代における評価と影響

今日ではヴォーカル・オーディションやリサイタルの定番候補として扱われ、洗練された言葉運びとメロディの“語り”を磨く教材的価値も高い。配信時代でもプレイリストでの発見が続き、若い歌手がレパートリーに加えることで新たな聴衆を広げている。コード進行は現代的な再構築にも適し、スウィングからラテン系ビートまで柔軟に適応する点がDJやアレンジャーにも支持される。

まとめ

簡潔で洒脱、しかも情感豊かなこの曲は、聴き手を惹きつける設計が緻密。確かな作曲技法とウィットに富むテキストが融合し、時代を超えて生きるジャズ・スタンダードとしての地位を保ち続けている。歌詞詳細や初出年など一部は情報不明だが、都会的な香りと滑らかな旋律は、今なお多くの演奏者と聴衆を魅了し続けている。