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You Say You Care
- 作曲: STYNE JULE,ROBIN LEO

You Say You Care - 楽譜サンプル
You Say You Care|楽曲の特徴と歴史
基本情報
You Say You Careは、作曲家Jule Styneと作詞家Leo Robinによる楽曲。英語の歌詞をもつ一方、ジャズの現場では器楽曲としても広く演奏され、スタンダード・レパートリーに定着している。初出年や初演媒体(舞台・映画・出版)は情報不明。旋律の歌心と構成のわかりやすさが評価され、ボーカル、サックス、トランペット、ピアノなど様々な編成で取り上げられてきた。楽曲名の邦題は一般的には定着しておらず、原題で流通することが多い。
音楽的特徴と演奏スタイル
滑らかな旋律線と明快な和声進行が特徴で、メロディの抑揚を生かした歌唱や、フレーズを大きく息で運ぶ管楽器の表現に適している。テンポはバラードからミディアムまで幅広く選ばれ、歌詞の叙情性を重視する解釈も、スウィング感を押し立てる解釈も可能。イントロ/エンディングやキー設定はアレンジに委ねられることが多く、即興ではメロディを踏まえたリリカルな展開や、コード進行に沿ったハーモニックなアプローチが映える。
歴史的背景
Jule StyneとLeo Robinは、20世紀中葉のアメリカ大衆音楽を支えた名コンビとして知られ、ブロードウェイやハリウッドの文脈で多くの名曲を世に送り出した。本曲もその語法を受け継ぐ作品として、アメリカン・ソングブック的な美質を備える。初出の具体的な作品名や公開年は情報不明だが、ジャズ・ミュージシャンに取り上げられることでレパートリーに根付いた。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、John Coltraneのアルバム『Soultrane』(1958年、Prestige)での演奏がよく知られる。共演はRed Garland(p)、Paul Chambers(b)、Art Taylor(ds)。コルトレーンは旋律の抒情性を尊重しつつ、充実したハーモニー運用で楽曲の魅力を拡張している。この録音は以後の解釈にも影響を与え、楽曲のスタンダード化を後押しした。他にも多くの歌手・器楽奏者が録音しているが、網羅的リストは情報不明。
現代における評価と影響
旋律美と構成のわかりやすさから、ボーカリストと器楽奏者の双方に選ばれやすく、リサイタルやセッションでの採用例も多い。教材としても扱いやすく、メロディの歌い回し、ダイナミクス、ハーモニック・アプローチの学習に適した素材として評価されている。録音や配信プラットフォームを通じて新たな世代にも届き、時代を越えて演奏が継続している。
まとめ
You Say You Careは、歌心に満ちた旋律と柔軟な解釈の余地を併せ持つ楽曲で、ジャズ・スタンダードとして確かな存在感を放つ。初出の詳細は情報不明ながら、優れた作者コンビの職人技と、コルトレーンらの名演がその価値を裏打ちした。歌唱でも器楽でも魅力が際立つ、汎用性の高い一曲である。