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Aquarela do Brasil

  • 作曲: BARROSO ARY
#ボサノバ
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Aquarela do Brasil - 楽譜サンプル

Aquarela do Brasil|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Aquarela do Brasil」は、ブラジルの作曲家アリ・バローゾ(BARROSO ARY)が1939年に発表したサンバの代表曲。原題はポルトガル語で「ブラジルの水彩画」を意味し、作詞もバローゾ自身。言語はポルトガル語。初演者や初録音の詳細、調性・拍子の一次情報は情報不明だが、サンバ特有の躍動するリズムが核となる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、自然の豊かさ、都市の活気、人々の誇りを鮮やかな比喩で描き、祖国ブラジルへの賛歌として機能する。風景や色彩、踊りと音楽のイメージが重なり、国民的アイデンティティを肯定的に称える「サンバ・エグザルタソン(賛歌型サンバ)」の典型例。直接的な政治スローガンではなく、詩的なイメージで国土の魅力を讃える点が特徴だ。

歴史的背景

1930年代末のブラジルは、ラジオとレコード産業の拡大で大衆歌謡が台頭。国家的アイデンティティをめぐる議論が活発化する中、本作はサンバを国民音楽として再定義する役割を担った。都市のサロン文化と大衆のダンス音楽が交差し、洗練された和声と大編成アレンジが取り入れられ、サンバが世界に開かれる契機となった。

有名な演奏・映画での使用

本曲は1942年のディズニー映画「Saludos Amigos」に登場し、英題「Brazil」として国際的に知られるようになる。その後も1985年の映画「ブラジル」(監督テリー・ギリアム)で象徴的に用いられ、楽曲のイメージを新たな文脈へと拡張。録音は無数に存在し、フランク・シナトラほか多くの歌手・ジャズ奏者・オーケストラが取り上げ、ボサノヴァ風やビッグバンド風など多彩な解釈が生まれた。

現代における評価と影響

現在もブラジル音楽の名刺代わりとして各国で演奏され、国際イベントや広告、観光プロモーションでも耳にする定番曲。サンバだけでなく、ジャズ、イージー・リスニング、電子音楽まで編曲が広がり、音楽教育の教材やアンサンブルのレパートリーとしても定着している。ブラジル像を音で描く“標準曲”としての位置づけは揺るがない。

まとめ

「Aquarela do Brasil」は、詩的な祖国賛歌と躍動的なサンバを結びつけ、ブラジル音楽を世界へ押し広げた金字塔である。歴史的背景と多様な解釈が重なり、今なお新鮮な響きを保つ不朽のスタンダードだ。