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Feminina

  • 作曲: SILVEIRA MORENO JOYCE
#ボサノバ
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Feminina - 楽譜サンプル

Feminina|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Feminina」はブラジルのシンガー・ソングライター、ジョイス・モレーノ(本名: Joyce Silveira Moreno)による楽曲。作曲・作詞はいずれも本人で、1980年に同名アルバム『Feminina』で初出しました。言語はポルトガル語、ジャンルはMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)で、サンバ・ジャズの推進力とボサ・ノヴァの繊細さが溶け合うサウンドが特徴です。軽やかなギターのシンコペーション、弾むパーカッション、コーラスやスキャットを織り込んだヴォーカルワークが、都会的で生き生きとした空気感を作り出します。ジョイスの代表曲として、キャリアを象徴する存在です。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“Feminina”(女性的、女性らしさ)は、女性の主体性と日常の強さ、しなやかな感性を肯定的に描くキーワードです。恋愛や母性といった伝統的なモチーフに留まらず、都市生活を生きる女性の自立と誇りを軽快なリズムに乗せて表現。言葉数を抑えたフレーズやスキャットの反復は、意味の強調と同時に音楽的推進力を生み、身体性のある“躍動”として女性性を提示します。メロディは明朗で、耳に残るコーラスが楽曲のアイデンティティを形作り、祝祭感と日常性が共存する歌世界を築いています。

歴史的背景

1970年代後半から80年代初頭のブラジルでは、MPBが多彩なスタイルを内包しながら成熟し、女性アーティストの台頭も進みました。ジョイスはギタリスト/ソングライターとして自作自演のスタイルを確立し、その文脈の中で「Feminina」は女性の視点を前面化する象徴的レパートリーとなります。サンバの伝統にジャズのハーモニー感覚を掛け合わせることで、国際的にも通用する洗練を獲得し、同時代の都市ブラジルの感性を刻印しました。1980年の発表は、彼女の芸術的到達点のひとつと位置づけられます。

有名な演奏・映画での使用

基準版とされるのは1980年のオリジナル音源で、明確なグルーヴと一体感のあるコーラスが魅力です。以後、本人による再演・ライヴ録音が複数存在し、編成やテンポの違いで多面的な魅力が引き出されてきました。ギターとパーカッションの駆動力、スキャットのインタープレイはライヴでとりわけ映える要素として定評があります。映画での使用については情報不明です。

現代における評価と影響

「Feminina」はジョイス・モレーノの代名詞的楽曲として長年愛され、MPB入門曲としても参照されます。サンバ・ジャズの洗練とポップな覚えやすさを併せ持つため、世代や国境を越えて受容され、プレイリストやラジオでも頻繁に取り上げられてきました。配信時代にはアルバム再評価の入口となり、ギター伴奏や女性ヴォーカル表現の手本として音楽家の間でも注目が続いています。

まとめ

「Feminina」は、女性性を祝福するメッセージと洗練のアレンジが結晶したMPBの名曲です。1980年の初出以来、ポルトガル語の響き、スキャット、シンコペーションが生む躍動は色褪せず、現在もジョイス・モレーノの代表作として聴き継がれています。