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Samba da Bencao

  • 作曲: DE AQUINO BADEN POWELL,DE MORAES VINICIUS
#ボサノバ
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Samba da Bencao - 楽譜サンプル

Samba da Bencao|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Samba da Bencao」は、ギタリスト兼作曲家Baden Powell(DE AQUINO BADEN POWELL)と詩人Vinicius de Moraes(DE MORAES VINICIUS)による共作。原題はポルトガル語で、邦題は「サンバの祝福」などが用いられます。歌詞はポルトガル語、作詞はVinicius de Moraes。発表年や初出アルバムは情報不明ですが、両者の協働期に位置づけられ、ボサノヴァとサンバの架橋的な楽曲として知られます。タイトル通り祝詞的なムードを持ち、演奏では歌とスポークン・ワードが交錯するのが特徴です。

歌詞のテーマと意味

本作の核心は“benção(祝福)”という言葉に象徴される敬意と感謝です。歌詞はサンバという文化そのもの、そして先人の音楽家たちへの献辞として構成され、軽やかなユーモアと温かな人間味が共存します。旋律を歌うパートと、詩人が語りかけるように言葉を置くパートが呼応し、聴き手は語りとリズムの揺らぎの中で意味を受け取る設計です。特定の物語を追うというより、サンバの精神を讃える宣言文・祈りの混合体として機能します。

歴史的背景

1960年代、両者はアフロ・ブラジルの宗教的・民俗的要素をサンバに織り込む試みを進めました。本曲もその潮流と親和性が高く、ギターの洗練されたハーモニー感覚と、土着的なリズム感覚の折衷が聴きどころです。ボサノヴァの国際的流行が続く一方で、より根源的なサンバの力を再確認する動きがあり、その中で「Samba da Bencao」は詩と音楽の統合を提示した重要曲として評価されました。具体的な初演や録音年は情報不明です。

有名な演奏・映画での使用

代表的なのはBaden Powell自身の録音で、ギターのバチーダ奏法と語りのバランスが見事です。共作者Vinicius de Moraesによるスポークン・ワードを伴う演奏形態もよく知られ、以降多くの歌手・ギタリストがレパートリー化しました。ブラジル内外でカバーは多数存在しますが、網羅的な一覧や特定の映画・テレビでの使用例については情報不明です。現行の配信サービスでも複数の音源が聴取可能で、定番曲として扱われています。

現代における評価と影響

今日では、ボサノヴァ/サンバ系のライブで頻繁に取り上げられる“定番”の一つ。ギター中心編成からジャズ寄りのコンボまで適応し、語りの部分を各言語で置き換える解釈も見られます。教育現場では、シンコペーションの捌き方、和声音のヴォイシング、語りと歌の間合いの取り方を学ぶ教材として参照されることが多い楽曲です。詩的であると同時に親しみやすく、サンバの包容力を体現する作品として支持が続いています。

まとめ

「Samba da Bencao」は、サンバへの祝福をテーマに、詩と演奏を緊密に結びつけた名曲。確定情報の限られる点はあるものの、共作者二人の美学が結晶した一篇として、今も多くの演奏家・聴き手に受け継がれています。