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Going Out Of My Head
- 作曲: RANDAZZO TEDDY, WEINSTEIN BOBBY

Going Out Of My Head - 楽譜サンプル
Going Out Of My Head|歌詞の意味と歴史
基本情報
Going Out Of My Headは、RANDAZZO TEDDYとWEINSTEIN BOBBYによる作品。1964年にLittle Anthony and the Imperialsが初演し、大ヒットを記録した。表記は省略形の“Goin’ Out of My Head”も一般的。情熱的なメロディとドラマティックなストリングス、ソウルフルなボーカルが融合したポップ・バラードで、感情の振幅が大きいダイナミクス設計が特徴。以後、多数のアーティストに取り上げられ、ポップとジャズ双方の現場で歌い継がれている。
歌詞のテーマと意味
歌詞の核は、我を忘れるほど相手に心を奪われた状態の告白である。理性では抑えられない衝動、報われない片思いの切なさ、相手に届かないもどかしさが、反復と高揚するフレーズ運びで強調される。具体的な物語描写は最小限に留め、普遍的感情の輪郭を大胆に拡大することで、聴き手それぞれの体験に重ね合わせやすい普遍性を獲得。タイトルが示す「正気を失うほどの恋慕」を、音域の跳躍やクレッシェンドが視覚的に補強している。
歴史的背景
1960年代半ばはR&Bとポップのクロスオーバーが主流化した時代。Randazzo/Weinsteinはその潮流の中心におり、本曲もストリングスの豊かなハーモニーとリズムセクションのグルーヴを溶け合わせることで、都会的で洗練されたサウンドを提示した。オリジナルは全米チャートでも成功を収め、同グループの代表作として確立。その後、歌唱・編曲の自由度が高い楽曲として多方面へ拡散し、準スタンダード化が進んだ。
有名な演奏・映画での使用
Little Anthony and the Imperialsのオリジナルは不朽の定番。The Lettermenは「Goin’ Out of My Head/Can’t Take My Eyes Off You」のメドレーで再ヒットさせ、ソフトロック文脈でも親しまれた。ジャズ界ではWes Montgomeryが同名アルバムで器楽的に再解釈し、旋律の美しさをアドリブの素材として引き出して高評価を獲得。ほか多数の歌手・バンドが多言語・多ジャンルでカバーを残している。映画・ドラマでの具体的使用例は情報不明。
現代における評価と影響
広い音域とダイナミクスを要求するため、歌手の表現力を測るレパートリーとして重用される。コード進行はジャズ・ポップ双方に馴染み、ビッグバンドから小編成まで器楽編成にも柔軟に適応。ボーカル・コンペや教育現場でも取り上げられ、世代を超えて解釈が更新され続けている。メロディの強度と感情の普遍性が、時代やジャンルの境界を越える持続的な人気を支えている。
まとめ
Going Out Of My Headは、恋の高揚と不安を凝縮した普遍的バラード。1964年の誕生以来、原曲の魅力と編曲自由度の高さが相まって、ポップとジャズ双方で名演を生み続けてきた。表記の揺れを含む多面的な受容は、本曲が今もなお生きたスタンダードであることの証左と言える。