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Only Yesterday

  • 作曲: CARPENTER RICHARD LYNN, BETTIS JOHN
#洋楽ポップス
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Only Yesterday - 楽譜サンプル

Only Yesterday|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Only Yesterday」は、カーペンターズが1975年に発表したシングルで、アルバム『Horizon』からの代表曲。作曲はRichard Lynn Carpenter、作詞はJohn Bettis。カレン・カーペンターの深みあるヴォーカルと、リチャード・カーペンターによる精緻なアレンジが融合し、穏やかなテンポと透明感のあるストリングスが印象的だ。全米ビルボードHot 100でトップ10入り、Adult Contemporaryチャートでは首位を獲得するなど、商業的にも成功を収めた。レーベルやプロデューサーの詳細は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、昨日までの孤独と不安から、愛に出会って世界が色づき直す心理の転換を描く。内省的なヴァースでは閉塞感や陰りを示し、サビで視界が開けるように希望が流れ込む構図が特徴。語彙やフレーズは平易ながら、カレンの抑制された表現によって感情の輪郭がくっきりと浮かぶ。メロディも歌詞の展開に呼応し、ヴァースでは静かに、コーラスで広がるダイナミクスが“昨日まで”と“今日から”の対比を音の面から補強している。恋愛の回復力を主題にしつつ、日常が少しずつ明るさを取り戻す実感を丁寧に掬い上げた楽曲である。

歴史的背景

1970年代半ばは、シンガー・ソングライターやソフトロックが成熟し、アダルト・コンテンポラリーが拡大する時期だった。『Horizon』期のカーペンターズは、スタジオ技術の進歩を活かしたクリアな音像と、過度な装飾を避けた端正なプロダクションで評価を高める。本曲もその美学の中核にあり、緻密なコーラスワークとオーケストレーションが、洗練されたポップスの指標となった。ディスコ台頭前夜のポップ・フィールドで、穏やかな情緒と高品位な録音を両立させた点が時代的文脈に位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

カーペンターズのコンサートやテレビ出演でたびたび披露され、ライブ・レパートリーとして定着したことが知られている。一方、劇場用長編映画での顕著な使用については情報不明。著名アーティストによる決定的なカバーのリストも情報不明だが、同曲はポップ・スタンダードとして幅広い場で取り上げられてきた。

現代における評価と影響

現在でもプレイリストやラジオでの定番曲として親しまれ、入門曲の一つに数えられることが多い。カレンのヴォーカル・コントロール、リチャードのアレンジ、滑らかな録音品質は、ポップ制作における“過不足のない美しさ”の好例としてしばしば参照される。1970年代ソフトロック/アダルト・コンテンポラリーの名曲群の中でも、感情表現の節度と普遍的なメロディの強さが評価の核であり、新規リスナーに対しても古びない入口を提供している。

まとめ

「Only Yesterday」は、昨日から今日へと心模様が移ろう瞬間を、簡素で優美な言葉と音で描いたカーペンターズの代表作。1975年という時代感、アルバム『Horizon』の音響美、そして普遍的な希望の物語が重なり、半世紀近く経た今も色褪せない魅力を放ち続けている。映画での使用など一部の情報は情報不明だが、楽曲自体の完成度と影響力は揺るぎない。