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Alright,Okay, You Win

  • 作曲: WYCHE SID,WYCHE SIDNEY J, WATTS MAYME
#スイング#スタンダードジャズ
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Alright,Okay, You Win - 楽譜サンプル

Alright,Okay, You Win|楽曲の特徴と歴史

基本情報

本作はSid WycheとMayme Wattsが手がけたジャズ・ブルースで、1955年に広く知られるようになった。代表的な初期録音として、ジョー・ウィリアムズを擁するカウント・ベイシー楽団の演奏が挙げられる。英語詞を持つヴォーカル曲で、洒脱な会話調の表現が魅力。標準的な12小節ブルース進行に基づき、多くの歌手・バンドにレパートリーとして定着している。

音楽的特徴と演奏スタイル

音楽的にはミディアム・スウィングの12小節ブルースが基本。ホーンのリフとヴォーカルの掛け合い、ブレイクを活かしたキメ、ウォーキング・ベースの推進力が特徴的だ。キーやテンポは演奏者により可変だが、歌のフレージングを活かす中庸の速さが選ばれることが多い。アドリブではブルース・スケールやコール&レスポンスの語法が映える。

歴史的背景

1950年代半ば、スウィング後期からモダンへ移行する時期に、ビッグバンドは洗練されたブルースを再定義した。ベイシー楽団の成功とともに、都会的なナイトクラブ文化の中で、洒落た言葉遊びを持つブルース・ナンバーが人気を博す。本作もその潮流の中で広まり、ジャズとR&Bの橋渡し的存在として位置づけられるようになった。

有名な演奏・録音

名演として最重要なのは、カウント・ベイシー楽団とジョー・ウィリアムズの1955年録音。洗練されたアレンジと深いグルーヴは決定版として参照され続ける。続いて、ペギー・リーの録音(アルバム『Things Are Swingin’』収録)も女性ヴォーカルの代表例として著名だ。以後、無数の歌手・ビッグバンドが取り上げ、レパートリーの定番となった。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・クラブやジャム・セッション、学校のビッグバンドで頻繁に演奏される。歌とバンドの対話、ブルース表現、ミディアム・スウィングのフィールを学ぶ教材として有用で、編曲版も豊富。配信サービスやプレイリストでも継続的に聴かれ、世代を超えて“歌えるブルース”の魅力を伝え続けている。

まとめ

12小節ブルースの分かりやすさと、気の利いた会話調の歌詞が融合した本作は、演奏者にも聴き手にも開かれた名曲である。ベイシー楽団やペギー・リーの名演を起点に聴き比べれば、アレンジやテンポ、歌い回しの違いが一層楽しめる。入門者から愛好家まで、長く付き合えるジャズ・スタンダードと言えるだろう。