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Dardanella

  • 作曲: BERNARD FELIX, BLACK JOHNNY, FISHER FRED
#ジプシージャズ
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Dardanella - 楽譜サンプル

Dardanella|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Dardanella」は1919年発表のポピュラー曲。作曲はFelix BernardとJohnny S. Black、作詞はFred Fisher。歌詞付きで出版され、ダンスバンドやジャズのレパートリーとして広まった。現在は早期ジャズ期を代表するスタンダードの一つとして扱われることが多い。歌詞の全文はここでは扱わないが、当時の大衆歌に典型的なロマンティックな表現が見られる。

音楽的特徴と演奏スタイル

ミドルテンポのフォックストロット系リズムに乗るキャッチーな旋律が核。シンコペーションを活かしたメロディラインは、ボーカル付きでも器楽版でも映え、コルネットやクラリネット、サックスのユニゾン/ハーモニーで主題を提示し、間奏で軽いアドリブを挟む編成が定番。ダンスフロアを意識した明快な拍感と、当時流行した“エキゾティック”な情緒をほのかに漂わせる音遣いが魅力だ。移調やコーラス追加にも適応しやすく、バンドの規模を問わずアレンジがしやすい。

歴史的背景

第一次世界大戦直後、ニューヨークのティン・パン・アレーを中心にダンス音楽が大衆化した時期に誕生。レコード産業と楽譜販売の拡大に乗って瞬く間にヒットし、当時の“ミリオンセラー”を象徴する存在となった。流通の急拡大に伴い無断複製が問題化したことでも知られ、音楽出版や録音業界の権利意識が高まる契機の一つとして言及される。楽譜の普及と録音の両輪で広まったことは、のちのスタンダード化を後押しした。

有名な演奏・録音

決定打となったのはベン・セルヴィン(Ben Selvin)のノヴェルティ・オーケストラによる1919年前後の録音。明快なダンス・グルーヴと洗練されたアンサンブルで大衆の支持を集めた。以後、多くのダンス・バンドやジャズ・ミュージシャンが取り上げ、器楽版・ボーカル版ともに数多くの音源が残る。その他の代表的録音の詳細は情報不明だが、20年代のレパートリーとして幅広く普及した事実は確かだ。

現代における評価と影響

20世紀初頭のアメリカン・ポピュラー音楽と初期ジャズの交差点を示す曲として、トラッド系バンドの常備曲になっている。教育現場でも、初期ダンス・ナンバーの曲作りや編曲法、リズム感覚を学ぶ素材として参照されることが多い。往年のアレンジを再現するリバイバル公演や、スウィング系イベントでも選曲されることがある。映画やテレビでの近年の使用状況は情報不明。

まとめ

歌詞付きの大衆歌として生まれ、ダンス・バンドを介してジャズ標準曲へと定着した「Dardanella」。簡潔で覚えやすい旋律と踊れるリズムが時代を超えて機能し、今日も演奏現場で生命力を保ち続けている。