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Don't Fence Me In

  • 作曲: PORTER COLE
#スタンダードジャズ
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Don't Fence Me In - 楽譜サンプル

Don't Fence Me In|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Don't Fence Me In」は、作曲コール・ポーター、作詞ロバート・フレッチャーおよびポーターによる1934年の楽曲。西部の広野や開放感を想起させるイメージを核にしたポップ・ソングとして知られる。後年、カントリーやポップの枠を超えて幅広くカバーされ、アメリカ大衆音楽を象徴するレパートリーの一つとなった。

歌詞のテーマと意味

歌詞は一人称の語りで「囲い込まれたくない」という強い意思を示し、社会的束縛や形式から距離を置き、自然の中で自由に生きたいという希求を描く。都会的洗練で知られるポーターが、フレッチャーの原案をもとにカウボーイ的自由のロマンをポップに昇華。比喩と反復によりメッセージ性が強化され、覚えやすい旋律とともに多くの聴き手に浸透した。直接的な政治性は薄いが、個の自立と解放感を前面に出す普遍的テーマが魅力である。

歴史的背景

曲自体は1930年代半ばに生まれ、その後1940年代に大きな人気を獲得した。第二次世界大戦期のアメリカにおいて、開放感を讃える本作は広く親しまれ、ポピュラー・ソングの定番へと定着。作詞クレジットにはロバート・フレッチャーとポーターが併記され、ポーター作品の中でもカウボーイ・ソングの系譜に位置付けられるユニークな存在となった。発表経緯の細部には諸説があるが、1930年代発の楽曲であることは確かである。

有名な演奏・映画での使用

1944年、ビング・クロスビー&アンドリュー・シスターズの録音が全米で大ヒットし、楽曲の知名度を決定づけた。映画では1944年の『ハリウッド・カンティーン』で披露され、翌年にはロイ・ロジャース主演の映画『Don't Fence Me In』でも取り上げられるなど、スクリーンを通じても普及した。その後も多くのカントリー、ポップ、クロスオーバー系アーティストが取り上げ、録音・ライヴ双方で定番化している。

現代における評価と影響

本作はコール・ポーター作品の中で特に大衆的人気を保つ一曲で、ウェスタンのイメージと都会的ソングライティングが融合した稀有な例として語られる。広告や映像での引用、プレイリストでの常連化など、現代のリスニング環境でも露出が継続。ジャンルを横断してカバーが続くことで、世代や文脈を超えた「自由」の象徴的ナンバーとして位置づけられている。

まとめ

「Don't Fence Me In」は、簡潔で記憶に残る旋律と、束縛からの解放を願う普遍的な語り口で長く愛されてきた。1930年代に生まれ、1940年代の大ヒットで定番化、映画でも広まった歴史を持つ。今なお数多くのカバーを生み、アメリカ音楽のクラシックとして生き続けている。