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Angel Eyes

  • 作曲: DENNIS MATT
#スタンダードジャズ
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Angel Eyes - 楽譜サンプル

Angel Eyes|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Angel Eyesは、作曲DENNIS MATT、作詞Earl Brentによるジャズ・バラードのスタンダード。初出年は情報不明だが、1953年の映画『Jennifer』で使用され広く知られるようになった。ヴォーカル曲として歌われる一方、インストゥルメンタルでも定番化しており、クラブ、コンサート、レコーディングで現在も頻繁に取り上げられる。

音楽的特徴と演奏スタイル

短調のムードと憂いを帯びた旋律が核となり、陰影の濃いハーモニーが印象を深める。クロマチックな進行やテンションを伴うドミナントの扱いが映え、スロー〜ミディアムのテンポで歌心を生かす解釈が多い。ヴォーカルでは言葉の間合いを生かしたルバートの前奏や、終盤に向けてダイナミクスを拡張する構成が定番。インストでは内省的なソロと余白を活かす伴奏が好まれ、夜想的な雰囲気を作りやすい。

歴史的背景

戦後アメリカのポピュラー/ジャズの潮流の中で生まれ、クラブやラジオで親しまれながら定着した。映画『Jennifer』での使用を契機に一般層へ浸透し、1950年代後半には著名歌手とジャズ・プレイヤー双方のレパートリーとして確固たる地位を獲得。バラード表現の魅力を象徴する一曲として、スタンダード曲集に収録され続け、世代を超えて演奏されている。

有名な演奏・録音

代表例として、フランク・シナトラの重厚なバラード解釈、エラ・フィッツジェラルドの流麗なスウィング感、チェット・ベイカーの内省的な歌唱とトランペットがよく知られる。各録音はテンポや編成、アレンジが異なり、同曲の多面的な表情を示す好例となっている。これらに続き、多数の歌手やピアニスト、サックス奏者がレパートリーに取り込み、ライブでも高い頻度で演奏される。

現代における評価と影響

Angel Eyesは、バラードにおける発声、フレージング、ハーモニー処理の学習に適した教材として教育現場でも重宝される。多くの楽譜集に収録され、ジャム・セッションでの共通語として機能。映画由来の叙情性とジャズらしい即興性の両立が評価され、入門者には表現力を磨く好素材、上級者には解釈の幅を試す格好の題材となっている。

まとめ

叙情的なメロディと陰影に富む和声が、歌手にも器楽奏者にも大きな表現余地を与えるAngel Eyes。映画での採用を足がかりにスタンダード化し、今日まで愛奏曲として定着した。名演の聴き比べを通じて解釈の広がりを体感でき、演奏者にとってはバラード表現の核心を学べる一曲である。