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I Wonder Who's Kissing Her Now

  • 作曲: HOWARD JOSEPH E, ORLOB HAROLD
#スタンダードジャズ
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I Wonder Who's Kissing Her Now - 楽譜サンプル

I Wonder Who's Kissing Her Now|歌詞の意味と歴史

基本情報

『I Wonder Who's Kissing Her Now』は、作曲をJoseph E. HowardとHarold Orlob、作詞をWill M. HoughとFrank R. Adamsが手がけた1909年のアメリカ流行歌。ティン・パン・アレー期に生まれ、のちにオーロブの貢献が公式にクレジットされるようになった。初出の舞台や初演歌手は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、かつての恋人を思い出し“今、誰が彼女に口づけしているのだろう”と自問する語り手の心情を描く。未練や後悔、そして相手の幸せを願う複雑な感情が交錯し、直截的な告白ではなく問いかけの形で余韻を残すのが特徴。柔らかなメロディと相まって、失われた恋の普遍性を静かに伝えるバラードである。

歴史的背景

1900年代初頭のアメリカでは、楽譜販売とヴォードヴィル/ミュージカルを通じて楽曲が広まった。本作もその潮流の中で人気を獲得し、家庭のピアノで歌える書法が色濃い。戦後には作曲家ハワードの半生を描く伝記映画『I Wonder Who's Kissing Her Now』(1947年)が公開され、曲名が再注目された。

有名な演奏・映画での使用

本曲は時代ごとに多くの歌手やダンスバンドが録音し、ラジオやテレビの懐メロ企画でも取り上げられてきた。個別のヒットや初出録音の詳細は情報不明だが、1947年の同名映画では主題歌的に用いられ、映像を通じて新しい聴衆にも浸透した。

現代における評価と影響

今日ではアメリカン・ポピュラーの古典=スタンダードとして位置づけられ、レビュー、キャバレー、音楽教育のレパートリーなどで歌い継がれている。シンプルな和声進行と口ずさみやすい旋律は編曲の自由度が高く、ソロから合唱、スモール・コンボまで幅広い編成に適応する点も評価される。

まとめ

甘く哀愁を帯びたメロディと、別れの後に残る問いかけという普遍的テーマが結びついた本作は、発表から一世紀を経た現在も色褪せない魅力を放つ。作曲者連名や映画化を含む豊かな履歴は、同曲が時代を超えるポピュラー・ソングであることを物語っている。