あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

I'll Walk Alone

  • 作曲: STYNE JULE
#スイング#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

I'll Walk Alone - 楽譜サンプル

I'll Walk Alone|歌詞の意味と歴史

基本情報

「I'll Walk Alone」は、作曲ジュール・スタイン、作詞サミー・カーンによる1944年のポピュラー・バラード。ユニバーサル映画『Follow the Boys』でディナ・ショアが初披露し、同年に商業録音も発表。アメリカを中心に広く親しまれ、戦時下の感情を映す代表曲として知られる。楽曲のキーや正式な初演日の詳細は情報不明。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、戦地へ赴いた恋人を待つ語り手が「再会まで一人で歩む」と誓う内容。寂しさと不安を抱えながら忠誠と希望を保つ心情が、穏やかな語り口で描かれる。戦闘や政治的メッセージを前面に出さず、日常の感情に寄り添うことで、広い層に受け入れられた。静かな決意、自己抑制、そして時間への信頼が核に据えられている点が特徴だ。

歴史的背景

発表は第二次世界大戦下。兵士と家族の分断が日常化し、音楽は慰撫と連帯の役割を担った。映画産業はUSO公演や戦時債券キャンペーンとも連動し、娯楽を通じて士気を支える機能を果たす。スタインとカーンは映画とポピュラーの橋渡しを担った名コンビで、本曲もスクリーン発の“ホームフロント”・ソングとして幅広い聴衆へ浸透した。

有名な演奏・映画での使用

最も知られるのは、映画『Follow the Boys』でのディナ・ショアの歌唱と、その商業録音である。ラジオやジュークボックスを通じて浸透し、戦時のバラードとして定着した。以後も多くの歌手が録音を残しているが、網羅的な名演の一覧や各年のチャート推移など詳細は情報不明。その他の映像作品での使用状況も情報不明。

現代における評価と影響

現在も第二次大戦期のポピュラー・ソングを代表する一曲として参照される。個人的な誓いを普遍的な慰めへ昇華した設計は、後年の別離バラードの語りの型に影響を与えたと評される。復刻盤や戦時歌集コンピレーションへの収録が多く、当時のレコーディング技法や歌唱美学を知る資料としても価値が高い。

まとめ

「I'll Walk Alone」は、親密な愛の言葉で時代の不安と希望をすくい取った戦時下の名曲。映画発の文脈、作家コンビの職人技、ディナ・ショアの端正な歌唱が結び合わさり、今なお聴き手の共感を呼ぶ。細部に未詳点は残るが、20世紀ポピュラー史を語るうえで欠かせない重要作である。