アーティスト情報なし
Johnny One Note
- 作曲: RODGERS RICHARD

Johnny One Note - 楽譜サンプル
Johnny One Note|楽曲の特徴と歴史
基本情報
『Johnny One Note』は、作曲リチャード・ロジャース、作詞ロレンツ・ハートによる1937年のブロードウェイ・ミュージカル『Babes in Arms』のための楽曲。ショー・チューンとして生まれ、その後ジャズ・スタンダードとして広く歌われ続けている。初演時の歌い手は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
題名どおり“ひとつの音”を繰り返すアイデアを軸に、強烈なリズム、ブレイク、転調を重ねて推進力を生む。アップテンポでのベルティングや、同音反復に異なるアクセントを与える解釈が映え、ビッグバンド伴奏や小編成のスウィングでも機能する。スキャットや即興的アドリブを挿入する演奏も多い。
歴史的背景
1930年代後半、ロジャース&ハートは機知に富む歌詞と洒脱な旋律でブロードウェイを席巻。本曲は『Babes in Arms』の劇中でコミカルかつ痛快な性格を担い、観客に強い印象を残したとされる。出版年は1937年。映画版や舞台再演での扱いの詳細は情報不明。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、エラ・フィッツジェラルドが『Ella Fitzgerald Sings the Rodgers & Hart Song Book』で洗練されたスウィング解釈を示したことは広く知られる。ジュディ・ガーランドはMGM映画『Words and Music』(1948)で華やかなステージ・ナンバーとして披露し、映像作品でも記憶に残る存在となった。その他、多数の歌手・ジャズオーケストラが取り上げている。
現代における評価と影響
シンプルなコンセプトを高い音楽性に昇華した本曲は、今日もボーカルのテクニックと表現力を示すレパートリーとして重宝される。同音反復をどう躍動させるか、呼吸とダイナミクスの設計が腕の見せどころで、教育現場やオーディションでも用いられることがある。配信時代にも定期的に再発・再演が続く。
まとめ
『Johnny One Note』は、アイデアの鮮烈さと舞台映えする構成で、ショー・チューンからジャズ・スタンダードへと定着した一曲。作曲の巧みさと歌詞の機知が噛み合い、歌い手の個性を最大限引き出す。入門者にも玄人にも聴きどころの多い名曲だ。