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S'posin"

  • 作曲: DENNIKER PAUL
#スタンダードジャズ
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S'posin" - 楽譜サンプル

「S'posin"|楽曲の特徴と歴史」

基本情報

「S'posin"」は、作曲家Paul Dennikerによるポピュラー・ソングで、作詞はAndy Razaf。発表年は1929年とされ、のちに多くのジャズ・ミュージシャンに演奏されるスタンダードとなった。原題表記や綴りは資料により小さな揺れがあるが、本稿では入力表記に従う。初演者や初演の場、出版形態の詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

歌詞は「もし〜なら?」と仮定を重ねる問いかけ調が核で、親密な会話のニュアンスを生む。穏やかなテンポで歌われることが多く、メロディは滑らかな旋律線と適度な跳躍が共存。シンプルで明快な和声進行はアドリブを乗せやすく、ボーカルと器楽の双方で映える。バラードからミディアム・スウィングまで解釈の幅が広く、編成もピアノ・トリオからビッグバンドまで柔軟に対応する。

歴史的背景

1920年代末、ティン・パン・アレー由来のポップ・ソングがジャズの主要レパートリーへ流入した潮流の中で誕生。Razafはハーレム・ルネサンス期を代表する作詞家の一人で、この曲も都会的でウィットに富む言葉運びが魅力である。初出舞台や初録音の明確な一次情報は情報不明だが、出版後まもなくダンス・バンドや人気歌手に広く取り上げられ、スウィング期以降の標準曲として定着した。

有名な演奏・録音

代表的な録音の年代・演奏者については資料により記述が分かれ、特定は情報不明。ただしスウィング期のビッグバンドと主要歌手に広く歌われ、戦後は小編成コンボによるインストゥルメンタルの名演も多数生まれた。抑制の効いた歌唱、軽快なスウィング、しっとりしたバラードなど、多彩な解釈がディスコグラフィを彩っている。

現代における評価と影響

現在もジャズ・シンガーの定番曲としてレパートリーに残り、セッションやリサイタルで継続的に演奏される。対話的な歌詞はストーリーテリングの妙を引き出し、歌伴・伴奏の実践教材としても扱いやすい。器楽奏者にとっても明快なコード進行が即興の土台となり、スタイル横断でアレンジ可能な柔軟性が評価される。映画やドラマでの顕著な使用例は情報不明。

まとめ

「S'posin"」は、1929年生まれのポピュラー・ソングが時代を超えてジャズの語法と結び付いた好例である。仮定法の機知ある歌詞と懐の深いメロディが、歌手にもインスト奏者にも余白を与える。初演や特定の名演の詳細に情報不明な部分は残るものの、解釈の幅広さと親密な語り口が普遍性を担保し、今日まで息長く演奏され続ける理由となっている。