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South Of The Border

  • 作曲: KENNEDY JIMMY, CARR MICHAEL
#スタンダードジャズ
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South Of The Border - 楽譜サンプル

South Of The Border|歌詞の意味と歴史

基本情報

「South Of The Border(Down Mexico Way)」は、Jimmy Kennedy(作詞)とMichael Carr(作曲)による1939年のポピュラー・ソング。英語圏で広く親しまれ、通称の“Down Mexico Way”でも知られます。国境の南、メキシコを舞台にした旅情とロマンスを描く内容で、のちに多くの歌手・バンドが取り上げたスタンダードとして定着しました。初出は1939年公開の同名映画で取り上げられたことが一般に知られています。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、かつてメキシコで出会った女性を思い出し、別れを選んだことへの後悔と郷愁を語る一人称の物語が中心。異国の風景や色彩、祭りや陽光といったイメージを背景に、主人公が“国境の南”へと心を引かれる感情を重ねます。恋の余韻と旅の記憶が交錯し、甘美さとほろ苦さを併せ持つのが魅力。直接的なストーリー描写と情景描写のバランスが良く、歌い手の解釈によってロマンティックにもペーソス豊かにも響くテキストです。

歴史的背景

1930年代末のアメリカでは、ラテン音楽やラテン・イメージがポピュラー文化に広まり、ダンス・バンドや映画音楽にも積極的に採用されました。本曲もそうした潮流の中で生まれ、メキシコを象徴するモチーフを歌詞と音響に取り込んだ点が特徴です。軽快さと哀愁を併せ持つメロディは、大衆の嗜好に合致し、レパートリーとして長く歌い継がれる素地を築きました。

有名な演奏・映画での使用

1939年の映画「South of the Border」で取り上げられたことをきっかけに広く知られるようになり、その後、Gene AutryやBing Crosby、Frank Sinatraなど多くのスターが録音。さらにHerb Alpert & the Tijuana Brassのラテン色豊かなインストゥルメンタル版も人気を博し、楽曲の多面的な魅力を示しました。映画や番組で“メキシコ”の情景を喚起する楽曲として用いられることもあります(個別の使用例は情報不明)。

現代における評価と影響

今日では、トラディショナルなポップ・スタンダードとしてボーカルからビッグバンド、ジャズ寄りのアレンジまで幅広く演奏されます。テンポを落とせばバラードの滋味が強まり、アップテンポならラテン風リズムの軽快さが際立つ汎用性の高さが評価の理由。世代やジャンルを超えてカバーが続くことで、歌詞の普遍的な郷愁と国境を越えるロマンスの物語が、今も新しい聴き手に届き続けています。

まとめ

「South Of The Border」は、1939年発のポピュラー・ソングとして、旅情的な歌詞とラテンの色合いを帯びたサウンドが結びついた名曲です。映画での露出を足がかりに、著名歌手の録音と多様な編曲によってスタンダード化。メロディの覚えやすさと解釈の幅広さが、時代を超えた生命力を生み、現在もコンサートや録音で愛されています。