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Two Bass Hit

  • 作曲: LEWIS JOHN, GILLESPIE JOHN DIZZY
#スタンダードジャズ
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Two Bass Hit - 楽譜サンプル

Two Bass Hit|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Two Bass Hit は、ジョン・ルイスとディジー・ガレスピーの共作によるビバップ期の代表的インストゥルメンタル。タイトルは野球用語の two-base hit(ツーベースヒット)と低音の bass を掛けた洒落で、強烈なアクセントが印象的な楽曲名に由来する。作詞者は存在せず、標準的には器楽曲として演奏される。初出年の確定情報は情報不明だが、ガレスピー楽団のレパートリーとして早くから知られた。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポは中速から高速まで幅広く、緊密なユニゾンのリフとシャウト・コーラス、ブレイクを挟むソロ回しが核となる。題名どおり、低音域(ベース/バリトン系)の2発の“ヒット”を思わせる合図が随所に配され、アンサンブルの切れ味を強調。ビッグバンドでもコンボでも機能し、アンサンブルの精度とダイナミクス設計が要となる。調や細部の構成は版によって異なり、各編曲の個性が出やすい。

歴史的背景

第二次大戦後のニューヨークで隆盛したビバップの語彙を、大編成アレンジに架橋したディジー・ガレスピー楽団のレパートリーとして広まった。ピアニストのジョン・ルイスは後年モダン・ジャズ・カルテットを率い、整然とした書法や構築美で知られるが、そのセンスは本曲にも反映されていると評価される。初演や初録音の厳密なデータは情報不明。

有名な演奏・録音

代表例として、ディジー・ガレスピー楽団による1940年代後半の録音群(具体的年は情報不明)がまず挙げられる。続いて、マイルス・デイヴィスがアルバム『Milestones』(1958)で取り上げ、コンボ編成での緊密なリフ・ワークと力強いソロを提示し、後続に大きな指標を与えた。以降、プロ/学生ビッグバンドや小編成の定番レパートリーとして舞台・録音ともに広く継承されている。

現代における評価と影響

本曲は、ビバップの語法とアレンジ映えするリフ構築を兼ね備え、教育現場でも重用される。アタックの同期、リズムの切り返し、ダイナミクスの階層化といったアンサンブル技術の訓練に適し、ソロイストには明確な区切りと推進力を提供。スタンダード曲集にも採録されることが多く、世代や編成を超えて演奏され続けている。

まとめ

Two Bass Hit は、機知ある題名と痛快なリフ、即興の自由度を併せ持つ名曲。ビバップのエネルギーを保ちながら編成を問わず映えるため、初学者から上級者まで長く取り組めるスタンダードである。歴史的名演から学びつつ、自身の編成に最適化したアプローチで磨きをかけたい。