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Who's Sorry Now?

  • 作曲: SNYDER TED
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Who's Sorry Now? - 楽譜サンプル

Who's Sorry Now?|歌詞の意味と歴史

基本情報

Who’s Sorry Now? は1923年に発表されたアメリカのポップ・ソング。作曲はテッド・スナイダー、作詞はバート・カールマーとハリー・ルビーによる合作で、当時の流行歌の王道をゆく旋律と構成を備える。失恋という普遍的テーマを軽やかな語り口で描き、世代を超えて歌い継がれるスタンダードとして定着した。のちの多くの歌手にレパートリーとして採用され、時代ごとの解釈でアップデートされ続けている。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り、別れた相手に向けて“今になって後悔しているのは誰?”と問いかける逆転のイニシアチブを描く。傷心を抱えつつも、自己尊重とユーモアで気持ちを立て直す視点が特徴で、未練に溺れず冷静な距離感を保つ表現が魅力だ。直接的な非難に終始せず、アイロニーをにじませる言い回しが聴き手の解釈の余地を残し、カバーごとにニュアンスが変化しやすい点もスタンダードとしての強みになっている。

歴史的背景

ティン・パン・アレー全盛期の職業作家によるポピュラー・ソングとして書かれ、当時のダンス・ホール文化とも親和性が高い。1920年代にはバンド編成でもヴォーカルでも演奏しやすい明快なメロディと形式が支持され、シート・ミュージックやレコードを通じて広まった。発表後もしばしば取り上げられ、20世紀中盤には懐古的ムーブメントの流れの中で再評価の機運が高まっていく。

有名な演奏・映画での使用

代表的録音として広く知られるのは、コニー・フランシスが1958年に発表したヴァージョンで、テレビ露出を機に大きな人気を獲得し、彼女の出世作として位置づけられる。オリジナル期の1920年代にも多くのダンス・バンドや歌手が録音を残しており、時代ごとにテンポやアレンジを変えながら受け継がれてきた。映画での顕著な使用については情報不明。

現代における評価と影響

簡潔で口ずさみやすい旋律と明快なハーモニーは、ポップ歌手のみならずトラディショナル志向のジャズ・ヴォーカリストにも親しまれ、ライヴの定番曲として活躍する。失恋をユーモアで受け止める歌詞は現代の聴き手にも通用し、ノスタルジックな雰囲気を湛えつつ、気持ちを前に進めるポジティブさを提示する点が評価されている。教材やレパートリー入門曲としての有用性も高い。

まとめ

Who’s Sorry Now? は、皮肉と強さを同居させた視点と覚えやすい旋律で、時代を超えて愛される失恋ソングである。1923年の流行歌として生まれ、後年のヒットで再び脚光を浴びた本作は、今も多様な解釈を誘うポップ・スタンダードとして生き続けている。