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Chicago
- 作曲: FISHER FRED

Chicago - 楽譜サンプル
Chicago|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Chicago(通称: Chicago (That Toddlin' Town))は、Fred Fisherが1922年に発表したポピュラー・ソング。作曲・作詞ともにFisherによる作品で、ジャズ・スタンダードとして広く演奏されている。都市シカゴの活気を讃える内容で、軽快なスウィング解釈に馴染むことからダンス・バンド、ヴォーカル双方の定番となった。
音楽的特徴と演奏スタイル
多くの版でAABAの32小節形式をとり、キャッチーな主題と分かりやすい終止によってコーラスを重ねやすい。テンポは中速〜速めが一般的で、2ビートから4ビートへ推進するスウィング感が要。ブラスのリフやサックス・セクションのハーモニーが映え、ヴォーカルではアクセントの効いたシラブル配置と明快なアーティキュレーションが効果的。転調やタグを加えるアレンジも定着している。
歴史的背景
禁酒法時代の“Roaring Twenties”に生まれ、シカゴが娯楽とジャズの一大拠点として躍動した空気を反映する。楽曲はシート・ミュージックとヴォードヴィル、のちにはラジオ放送を介して急速に普及し、ダンスホールやホテル・オーケストラのレパートリーへ浸透。地域アイデンティティを象徴する歌としても親しまれ、都市イメージを軽やかに伝える役割を担った。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、Frank Sinatraのスウィンギーなヴァージョン、Judy Garlandがコンサートで披露した力強い歌唱、Bing Crosbyら戦前ポップの名唱がよく知られる。インストではビッグバンドやコンボの定番ナンバーとして取り上げられ、ブラス主体の華やかなアレンジから、軽快な小編成スウィングまで幅広い解釈が存在する。
現代における評価と影響
現在もジャズの教育現場やセッションで通用する“スタンダード中のスタンダード”。都市を題材にした歌の古典として、レトロな魅力と普遍的なキャッチーさを併せ持つ点が評価される。映画・テレビやイベントで都市性を喚起したい場面に選ばれることもあり、新録・再解釈が途絶えない。
まとめ
『Chicago』は、明快な32小節形式と弾むリズム、都市讃歌のムードが一体となった不朽のポピュラー曲である。歌唱・管編成・小編成のいずれでも映え、時代を超えて演奏者と聴き手を惹きつけ続けている。