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アーティスト情報なし

Corner Pocket

  • 作曲: GREEN FREDDIE
#スイング#スタンダードジャズ
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Corner Pocket - 楽譜サンプル

Corner Pocket|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Corner Pocketはギタリスト、フレディ・グリーンが作曲したスウィング系のインストゥルメンタル。後年ドン・ウルフの歌詞が付けられ「Until I Met You」としても知られる。初出年や初演の詳細は情報不明だが、カウント・ベイシー楽団のレパートリーとして広く普及し、ビッグバンドの定番となった。原題の“Corner Pocket”はビリヤード用語に由来するが、命名の意図は情報不明である。

音楽的特徴と演奏スタイル

中〜アップテンポの4ビートに乗る明快なリフと、サックス・ブラスのコール&レスポンスが骨格。グリーンらしい4つ切りのギターとウォーキング・ベースが推進力を生み、ピアノのコンピングとドラムのスウィング感が全体を引き締める。メロディはシンプルで覚えやすく、リフの反復から盛り上がるシャウト・セクションへと展開し、トランペットやテナーサックスなどのソロが据えられるのが一般的。アンサンブルのダイナミクスの出し入れが聴きどころで、学生バンドからプロまで幅広く演奏される。

歴史的背景

1950年代以降、ベイシー楽団は「ニュー・テスタメント」と呼ばれる時期に洗練されたアンサンブルで再評価を得たが、その柱にあったのがギターのフレディ・グリーンのリズム・ワークである。本曲はその美学を体現する一篇で、ビッグバンド・スウィングの伝統を継承しつつ、モダンなサウンドへ橋渡しする役割を担った。アルバム『April in Paris』に収録された演奏が特に名高く、以降、世界中のバンドで取り上げられている。発表年や初演メンバーの詳細は情報不明。

有名な演奏・録音

決定的なバージョンとしてカウント・ベイシー楽団の録音が挙げられる。ブラスとサックスのブレンド、タイトなリズム・セクション、要所でのシャウト・コーラスが作品の魅力を端的に示す。また、歌詞版「Until I Met You」は複数のジャズ・ボーカリストにより録音されている。具体的な録音年やチャート成績などの数値データは情報不明だが、いずれも楽曲のリフの強度とスウィング感を生かした解釈が評価されている。

現代における評価と影響

本曲はコンサートやジャズ・フェス、コンテストの課題曲としてもしばしば採用され、教育用のビッグバンド譜面も流通している。シンプルなモチーフで構築しながら高度なアンサンブル能力を要求するため、サウンド・バランス、スウィング感、セクション間のレスポンス、ブレンドの訓練に最適な教材として評価が高い。結果として、プロ・アマを問わず定番レパートリーとしての地位を保ち続けている。

まとめ

Corner Pocketは、フレディ・グリーンのリズム哲学を凝縮したジャズ標準曲であり、ベイシー流スウィングの美点—軽やかな推進力、明快なリフ、端正なダイナミクス—を今に伝える。インストとしても歌ものとしても親しまれ、世代や編成を超えて演奏される稀有な一曲として評価は揺るがない。初出の詳細や一部データは情報不明ながら、名曲としての地位は確固たるものだ。