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If I Could Be With You

  • 作曲: CREAMER HENRY, JOHNSON JAMES P
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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If I Could Be With You - 楽譜サンプル

If I Could Be With You|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「If I Could Be With You」は、正式には「If I Could Be with You (One Hour Tonight)」。作曲はJames P. Johnson、作詞はHenry Creamer。1926年に発表され、のちに多くの歌手とジャズ・ミュージシャンに演奏される定番曲となった。切ない恋心を歌う英語詞をもち、器楽演奏でも愛されるジャズ・スタンダードである。

音楽的特徴と演奏スタイル

ジョンソンはストライド・ピアノの巨匠として知られ、本曲にもその流麗な和声感と歌いやすい旋律が息づく。テンポ設定はバラードからミディアム・スイングまで幅広く、繊細なリズムの揺れやコール&レスポンスを活かしたアレンジが映える。ボーカルでは語りかけるようなフレージング、器楽ではミュート・トランペットやクラリネットの歌心あるソロが好まれる。

歴史的背景

1920年代後半、ハーレム・ルネサンスとティン・パン・アレーの潮流の中で生まれ、1930年前後に急速に知られるようになる。ダンス・バンドのレパートリーとして広まり、スウィング期の入口で“ロマンティックなバラード”としても評価を高めた。作詞のクリーマーはヴォードヴィルで活躍した作詞家で、親しみやすい言葉遣いが普遍性を支えた。

有名な演奏・録音

著名な録音には、1930年のルース・エッティングの歌唱、同年のルイ・アームストロング&ヒズ・オーケストラ、さらにマッキニー・ズ・コットン・ピッカーズがある。とりわけアームストロングの解釈は、温かな歌とトランペットのフレーズで後続の歌手・奏者に影響を与えた。その後も多くの歌手やコンボが取り上げ、録音史に厚みを加えている。

現代における評価と影響

現在でも、トラディショナルからモダン寄りまで幅広い編成で演奏され、ラウンジやクラブのステージ、リサイタル、レコーディングで定番化している。スロー・バラードの解釈と、スイング感を前面に出すコンボ編成の双方に適応し、表現力とアンサンブルを学ぶ教材としても重宝される。

まとめ

恋の切実さを端正なメロディに託した本曲は、1920年代発の名曲として今なお息長く演奏される。歴史に裏付けられた普遍性と解釈の自由度の高さこそが「If I Could Be With You」の魅力である。