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Jeepers Creepers

  • 作曲: WARREN HARRY
#スイング#スタンダードジャズ
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Jeepers Creepers - 楽譜サンプル

Jeepers Creepers|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Jeepers Creepers」は、1938年公開の米映画『Going Places』で初披露されたスタンダード。作曲は一般にHarry Warren(入力表記:WARREN HARRY)、作詞はジョニー・マーサー。歌詞を伴う楽曲だが、器楽演奏でも広く親しまれ、スウィング期から現代までレパートリーとして息長く演奏されている。軽快で耳なじみの良い旋律と洒脱な語感が結びつき、ポピュラーとジャズの両領域をまたぐ代表曲として定着した。

音楽的特徴と演奏スタイル

AABAの32小節形式が基本。明快なモチーフ反復と呼応的フレーズが特徴で、ミディアムからアップテンポのスウィングで取り上げられることが多い。調性は演奏家により異なるが、スタンダードな和声運びとセカンダリー・ドミナントがソロ展開の土台を作る。即興ではモチーフの変奏、スキャット、トレード・フォーなどが効果的。ヴォーカルはシンコペーションのニュアンスとことばの間合いが肝要で、器楽版ではリフの受け渡しやブラスのパンチでグルーヴを強調する。

歴史的背景

同曲はワーナー映画『Going Places』の劇中でルイ・アームストロングが印象的に紹介し、公開直後から人気を獲得。映画音楽由来の親しみやすさとスウィングのダンス性が相まって、当時のダンスホールやラジオ番組で急速に浸透した。マーサーの言葉遊びとウォーレンの覚えやすい旋律は、1930年代後半のアメリカ大衆音楽の気分に合致し、シーンを超えて広がる足場を作った。

有名な演奏・録音

初演期のルイ・アームストロングの録音は定番として参照される。後年はエラ・フィッツジェラルドが「Johnny Mercer Song Book」で取り上げ、ヴォーカル解釈の範として語られることが多い。ほかにも多数のビッグバンドやコンボがレパートリー化し、アレンジの自由度やソロ構築の教材として愛用されている。個別の録音年やチャート成績など詳細なディスコグラフィは情報不明。

現代における評価と影響

今日もジャム・セッションの常連曲で、入門から中級者のアドリブ練習に適した教材として教則本に掲載されることが多い。映画・テレビでの引用やフィーチャーの事例は複数あるが、網羅的な使用一覧は情報不明。軽快で記憶に残るメロディは世代を越えて再解釈され続け、ヴォーカルとインストの橋渡しとなるレパートリーとして評価されている。

まとめ

映画発のポピュラー曲がジャズの語法に溶け込み、スタンダード化した好例。AABA形式のわかりやすさと印象的な旋律は、テンポや編成を問わず魅力を引き出せる。歴史的背景を踏まえつつ、モチーフ運びとリズムの遊びを活かせば、今なお新鮮な表現が可能な一曲だ。