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Jumpin' At The Woodside
- 作曲: BASIE COUNT

Jumpin' At The Woodside - 楽譜サンプル
Jumpin' At The Woodside|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Jumpin' At The Woodsideは、カウント・ベイシー(作曲)によるスウィング期の代表的インストゥルメンタル。初出は1938年のベイシー楽団の録音として広く知られ、ビッグバンドの定番レパートリーとなった。明快なリフと推進力ある4ビートが核で、歌詞はなく、ダンス・フロアからジャズ教育現場まで幅広く演奏され続けている。
音楽的特徴と演奏スタイル
本作はリフを積層するヘッド・アレンジが要。サックス、トランペット、トロンボーン各セクションのコール&レスポンスが熱を生み、要所でシャウト・コーラスが炸裂する。テンポは速めのスウィングで、ピアノのコンピングとウォーキング・ベース、ハイハットのドライブが一体となり、ソロの見せ場が次々に展開する。音域配置とアーティキュレーションの明瞭さが完成度を左右する。
歴史的背景
タイトルの“Woodside”は、当時ベイシー楽団が拠点としたハーレムのウッドサイド・ホテルへのオマージュとして知られる。カンザス・シティ由来のリフ重視美学と、ニューヨークのダンス需要が結びついた1930年代後半の気分を象徴する楽曲で、スウィング黄金期のエネルギーを凝縮。クラブやラジオ放送での需要に応える実用的な構成も、長命の理由となった。
有名な演奏・録音
1938年のベイシー楽団による録音が基準点とされ、その後の編成変更期でも再演が重ねられた。多様なアレンジ版が出版され、プロ楽団から学生ビッグバンドまでカバーが絶えない。ソロ配分やシャウトの設計次第で性格が大きく変わるため、同曲の名演はアンサンブルの統率、セクションの切れ味、リズムのスイング感で語られることが多い。
現代における評価と影響
今日でもジャム・セッションやコンテスト、スウィング・ダンスの現場で愛奏される。シンプルな素材をリズムとダイナミクスで躍動させる作法は、ビッグバンド編成の教材として有効で、セクション・バランス、アクセント、ハイハットの“2・4”など基礎力の指標に。リフ構築と合奏運動性の教科書的存在として評価が定着している。
まとめ
Jumpin' At The Woodsideは、技巧を誇るよりもグルーヴとアンサンブルの一体感で勝負するジャズ・スタンダードである。1938年の誕生以来、その明快なリフと推進力は色褪せず、世代や地域を超えて演奏者と聴き手を踊らせ続ける。初学者から上級者まで、スウィングの核心を学べる一曲として、今も第一線で輝き続けている。