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Last Night When We Were Young

  • 作曲: ARLEN HAROLD, HARBURG E Y
#スタンダードジャズ
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Last Night When We Were Young - 楽譜サンプル

Last Night When We Were Young|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Harold Arlen作曲、E. Y. “Yip” Harburg作詞による哀愁のバラード。1935年に発表とされ、アメリカン・ソングブックを象徴する一曲として定着した。初出の媒体(映画・舞台・楽譜出版など)の詳細は情報不明だが、以降はポピュラーとジャズ双方のレパートリーに広く浸透している。

音楽的特徴と演奏スタイル

穏やかなテンポで歌詞の“若き日の一夜”を回想する抒情が核。旋律は上行と下降を丁寧に行き交い、転調感やクロマティックな進行が切なさを強調する。ジャズではバラード・テンポでのルバート導入、間合いを活かしたフレージング、豊かなリハーモナイズが定番。ヴァースを置く解釈や、ピアノ独奏による語り口も親しまれている。

歴史的背景

大恐慌後の1930年代、ブロードウェイ/ハリウッドの作曲家たちは洗練されたラヴ・バラードを多数生んだ。アーレンとハーバーグはのちに『Over the Rainbow』(1939)でも名コンビぶりを示すが、本作はそれに先んじて郷愁と成熟した感性を結晶化した例としてしばしば言及される。

有名な演奏・録音

代表的録音には、フランク・シナトラがアルバム『In the Wee Small Hours』(1955)で聴かせた深い内省、ジュディ・ガーランドの情感豊かな歌唱、エラ・フィッツジェラルドによるアーレン曲集での端正な解釈などが挙げられる。器楽ではアート・テイタムのピアノ独奏が名高く、トニー・ベネットら名歌手も繰り返し取り上げている。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・クラブや音楽大学のレパートリーで定番。コード進行は再調性化やテンション付与に耐え、編曲教材としての価値も高い。歌詞のテーマが時代を超えて共感を呼ぶため、配信時代でも新録が継続。ボーカルとピアノ、弦楽アレンジなど編成を問わず生命力を保っている。

まとめ

時代の空気をまといながら、私的な記憶を普遍の歌へ昇華した名曲。技巧より語りの品位を重んじる解釈が映え、今後もスタンダードとして歌い継がれるだろう。