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Lullaby Of Broadway
- 作曲: WARREN HARRY

Lullaby Of Broadway - 楽譜サンプル
Lullaby Of Broadway|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Lullaby Of Broadway」は、作曲WARREN HARRY(一般表記: Harry Warren)、作詞Al Dubinによる1935年の楽曲。映画「Gold Diggers of 1935」で初披露され、1936年のアカデミー賞で主題歌賞を受賞した。ブロードウェイの夜の息遣いを描く標題ながら、活気ある都会のリズムを讃える内容で、以後ジャズ・スタンダードとして定着。歌詞の全文は著作権保護のため非掲載。初演歌手は映画内でWini Shawが担当した。
音楽的特徴と演奏スタイル
4ビートのスウィング・フィールを基調に、シンコペーションと軽快なリズムが要。ビッグバンドではブラスのリフとコール&レスポンスが映え、コンボ編成ではテンポ可変でミディアム〜アップに乗せたアドリブ展開が一般的。ヴォーカルは歯切れ良いディクションと明快なアクセントが求められ、スキャットやリズム・バリエーションにも適する。オープニングの導入からサビにかけてダイナミクスを積み上げ、後半に向けてクレッシェンドする構成が好まれる。細部の調性や版ごとの構成差はアレンジにより異なる。
歴史的背景
米国大恐慌期のハリウッドで量産されたミュージカル映画の流れの中で誕生。Warner Bros.作品の音楽陣として活躍したHarry WarrenとAl Dubinの黄金コンビが手がけ、バズビー・バークレーの華麗な映像演出と相まって人気を確立した。ブロードウェイの喧騒を「子守歌」と呼ぶ逆説的タイトルが時代のエネルギーを象徴し、映画音楽とポピュラー/ジャズの橋渡し役として広く受容された。
有名な演奏・録音
初演は映画内でWini Shaw。1951年には映画「Lullaby of Broadway」(主演Doris Day)の題材曲として再び脚光を浴び、同名サウンドトラックやDoris Dayの録音が広く知られる。以後、ビッグバンドやヴォーカルの定番レパートリーとなり、コンサートやレビューでも頻繁に取り上げられる。舞台版『42nd Street』でも重要曲として用いられ、ショーナンバーとしての存在感を強めた。個別アーティストの網羅的なディスコグラフィは情報不明。
現代における評価と影響
スウィング時代の華やかさを象徴する一曲として、ジャズ教育のアンサンブル、学校のビッグバンド、舞台レビューの定番に定着。都会的で推進力あるグルーヴは、メドレー構成やオープニング/クロージングにも適し、観客の期待感を高める効果で重宝される。映画音楽由来のスタンダードがジャズの語法に取り込まれた典型例として、今日も古びない吸引力を保ち続けている。
まとめ
映画発のヒット曲として生まれ、ジャズ・スタンダードへと拡大した「Lullaby Of Broadway」。活気あるスウィング感、歌とアンサンブル映えする構成、そしてブロードウェイのイメージを凝縮した世界観が長寿命の理由だ。作曲WARREN HARRYと作詞Al Dubinの職人技は、世代や編成を超えて演奏者と聴き手を結び続けている。