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Out Of My Dreams
- 作曲: RODGERS RICHARD

Out Of My Dreams - 楽譜サンプル
Out Of My Dreams|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Out Of My Dreams」は、作曲家リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマースタイン二世によるミュージカル『オクラホマ!』(1943)収録の楽曲。物語の第1幕終盤、ヒロインのローレイが友人たちとともに歌い、直後の「ドリーム・バレエ」へとつながる重要曲として知られる。曲単体の魅力に加え、舞台構成上の要所として評価が高い。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、現実の不安から一時離れ、夢の中で愛する人の腕へと逃れたいという静かな願いを描く。大胆な告白というより、内省的な独白として綴られ、恋の高揚と不安の揺らぎが丁寧に表現されている。舞台上では眠りへの導入として機能し、主人公の心情が後続のバレエで視覚化される設計になっている。具体的な語句の引用は避けるが、情緒豊かな抒情性が核だ。
歴史的背景
『オクラホマ!』は、歌・ドラマ・ダンスを有機的に統合した“ブック・ミュージカル”を確立した作品。特に「Out Of My Dreams」からアグネス・デ・ミル振付の長大なドリーム・バレエへ移行する構成は、物語の内面を音楽と舞踊で拡張する革新的手法として評価された。楽曲は物語進行と人物心理の提示を担い、ブロードウェイにおける音楽劇の表現可能性を押し広げた例として重要である。
有名な演奏・映画での使用
初演版ではジョーン・ロバーツ(ローレイ)が歌唱。1955年の映画『Oklahoma!』でも楽曲が用いられ、作品とともに広く知られるようになった。以降の主要キャスト録音や各国のリバイバル公演でも定番曲として継承され、ソプラノ曲として独唱リサイタルや音楽教育のレパートリーに取り上げられている。特定歌手の個別録音以外は情報不明。
現代における評価と影響
今日では、ロジャース&ハマースタインの抒情性を代表するナンバーとして位置づけられ、作品の心理描写を支える“静のクライマックス”として語られることが多い。夢と現実の境界を音楽で示し、その後の舞踊へ橋渡しする役割は、ミュージカルにおける総合芸術性の好例として教育現場でも参照される。演奏会用アレンジや抜粋上演でも選ばれる機会が多い。
まとめ
「Out Of My Dreams」は、単独のバラード以上の意味を持ち、舞台全体の構造を結ぶ要所を担う曲である。穏やかな内面の声が、続くバレエで視覚化される設計は現在も新鮮で、名作『オクラホマ!』の革新性と魅力を凝縮している。ロジャースとハマースタインのコラボレーションの美点を示す、普遍的な一頁と言える。