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アーティスト情報なし

Sleep

  • 作曲: BURTNETT EARL, GEIBEL ADAM
#スタンダードジャズ
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Sleep - 楽譜サンプル

Sleep |楽曲の特徴と歴史

基本情報

Sleep は、BURTNETT EARL(Earl Burtnett)とGEIBEL ADAM(Adam Geibel)による楽曲。出版年は一般に1920年とされる。初期ジャズ/ダンス・バンドのレパートリーとして広まり、インストゥルメンタルでもボーカル付きでも演奏される。歌詞の全文は本稿では扱わないが、作詞者情報は資料により異同があり、現時点では情報不明とする。タイトルどおり、やわらかく穏やかな情感と、夜想的なムードが核となる曲だ。

音楽的特徴と演奏スタイル

テンポはミディアム〜スローで、フォックストロット/スウィングの感触を保ちながら、旋律線は歌心に富む。サックス・セクションやクラリネットを主旋律に据え、ブラスと木管のコール&レスポンスを交えるアレンジが定番。導入にリズムを落として抒情を強調し、次第に厚みを増やす構成もよく用いられる。和声は素直で、内声の動きと経過和音で色彩を与える書法が主流。エンディングはディミヌエンドで静かに収めるか、リタルダンドで余韻を残すケースが多い。

歴史的背景

1920年代はダンス・バンドの隆盛期で、ラジオとレコード産業の拡大がレパートリーの標準化を後押しした。Earl Burtnettは西海岸のダンス・バンド・シーンで活躍した作曲家・編曲家として知られ、Adam Geibelはティン・パン・アレー期のポピュラー音楽に関わったベテラン作曲家。こうした背景のもと、Sleep は会場をやさしく包む「ナイトチューン」として重宝され、バンドのセットを整える実用曲としても定着した。

有名な演奏・録音

本曲を広く知らしめた存在として、フレッド・ウェアリング&ザ・ペンシルヴェニアンズの演奏が挙げられる。さらに、エレクトリック・ギターの名手レス・ポールによる洗練されたインストゥルメンタル版は、メロディの滑らかさと和声の美点を前景化した名演として言及されることが多い。加えて、大学ジャズ・アンサンブルや地域ビッグバンドのレパートリーにも採り上げられ、編成や難易度に応じた各種アレンジ譜が流通している。

現代における評価と影響

今日でも、Sleep は初期ジャズ〜スウィング期の情緒を伝えるスタンダードとして評価が高い。派手さはないが、歌心ある旋律と柔らかいハーモニーが多様なアレンジを受け止め、セットの緩急や物語性を作る要に適する。コンサートのクローザー、ナイトクラブのラスト・ナンバーとして選ばれることも多く、録音や配信の文脈では「静かな名曲」として継続的に参照されている。映画やドラマでの使用は情報不明だが、ライブラリ用途に適した汎用性は依然健在だ。

まとめ

BurtnettとGeibelによるSleep は、静謐で流麗なメロディを核に、時代を超えて演奏されるジャズ標準曲である。ダンス・バンド由来の普遍性とアレンジの自由度が魅力で、インストゥルメンタルでもボーカルでも成立する柔軟さを備える。作詞情報や映像作品での使用については情報不明点が残るものの、実演・録音の現場ではなお生き続ける定番曲と言える。