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Thinking Of You

  • 作曲: RUBY HARRY
#スタンダードジャズ
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Thinking Of You - 楽譜サンプル

Thinking Of You|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Thinking Of Youは、作曲RUBY HARRY(Harry Ruby)、作詞Bert Kalmarによる1927年の楽曲。ブロードウェイ・ミュージカル『The Five O'Clock Girl』のために書かれ、甘やかで親密なメロディが特徴のポピュラー・ソングで、後にジャズ・スタンダードとしても親しまれてきた。初演の詳細や当時のチャート動向は情報不明だが、舞台発の一曲として広く知られている。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律は耳に残る滑らかさがあり、ボーカルを中心に据えたバラード〜ミディアムのテンポで演奏されることが多い。コード進行は20世紀前半のアメリカン・ポピュラーの語法に則り、シンプルな主題に対して豊かな和声で感情の陰影を与える。デュオによる親密な解釈から、ビッグバンドのソフトなスイングまでアレンジの幅が広く、歌のフレーズをレガートに歌い継ぐスタイルが映える。歌詞は離れている相手を思い続ける心情を扱うが、全文の引用は省く。

歴史的背景

作曲のHarry Rubyと作詞のBert Kalmarは、ティン・パン・アレー期を代表する名コンビ。1920年代のブロードウェイは、舞台で披露された楽曲がレコードやラジオを通じて急速に広まり、いわゆる“スタンダード”を数多く生んだ。本曲もそうした流れの中で知られるようになり、劇場外でも単独曲として愛好されていった。

有名な演奏・録音

映画『Three Little Words』(1950)はKalmar & Rubyの半生を描いた作品で、本曲が取り上げられている。これにより往年のレパートリーとして再認識され、以後もジャズ/ポップのシンガーに歌われ続けた。初演キャストや代表的録音の確定情報は情報不明だが、ブロードウェイ由来の古典として録音が重ねられてきたことは確かだ。

現代における評価と影響

今日では、アメリカン・ソングブック系のプログラムや、1920〜30年代レパートリーを掘り下げるコンサートで選ばれることがある。繊細な言葉と旋律の親和性が高く、歌詞解釈を重視する歌手に好まれる傾向がある。教育現場でも、初期ポピュラーの表現やフレージングを学ぶ教材として参照される。

まとめ

Thinking Of Youは、舞台生まれの叙情性と普遍的なメロディを併せ持つ一曲であり、時代を越えて歌い継がれてきた。詳細なディスコグラフィーは情報不明ながら、Kalmar & Rubyの代表作として、今なお静かな存在感を放ち続けている。