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Tin Roof Blues

  • 作曲: BRUNIES GEORGE, RAPPOLO LEON, MARES PAUL JOSEPH, STITZEL MELVILLE J
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Tin Roof Blues - 楽譜サンプル

Tin Roof Blues|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Tin Roof Bluesは、ニューオーリンズ・リズム・キングスが1923年に発表した12小節ブルースのジャズ・スタンダード。作曲者クレジットはGeorge Brunies、Leon Roppolo、Paul Mares、Mel Stitzelの4名。主にインストゥルメンタルとして演奏され、タイトルの由来は情報不明。シンプルな形式ながら、合奏と即興の妙味が凝縮された伝統曲として広く知られる。

音楽的特徴と演奏スタイル

最大の魅力は、ニューオーリンズ様式のアンサンブル。歌うようなクラリネット、テイルゲート風のトロンボーン、堅実なコルネットが三声的に絡み、12小節ごとのコーラスでソロと合奏が交互に展開する。中庸テンポと素朴な和声がブルースの滋味とスウィング感を引き出し、メロディは歌唱性が高く、各パートの対話が生命線となる。

歴史的背景

1920年代初頭、南部の演奏法を携えた楽団がシカゴのシーンで録音を重ね、全国に知られるようになった時期に誕生。Tin Roof Bluesはその象徴的レパートリーで、白人バンドによるニューオーリンズ・スタイル普及に大きく寄与した。初録音は1923年のニューオーリンズ・リズム・キングスによるものとして広く知られ、その成功がトラディショナル・ジャズ定番化を後押しした。

有名な演奏・録音

オリジナルのNORK録音は、管楽器のコレクティブ・インプロヴィゼーションの模範として評価が高い。以後、トラディショナル・ジャズのジャム・セッションやリバイバル期のバンドで繰り返し録音され、クラリネット、トロンボーン、コルネット(またはトランペット)の各楽器にとって定番教材にもなった。特定の映画使用や個別の名演一覧は情報不明。

現代における評価と影響

現在も伝統的ジャズの入門曲として人気が高く、合奏のバランス、ブルース・フィーリング、シンプルなコード上でのフレージングを学ぶ好材料となる。ライブでは観客とのコール&レスポンスや終盤の盛り上げが映え、編成やキーを問わず取り上げやすい実用曲として重宝される。教育・実演の両面で価値が維持されている。

まとめ

Tin Roof Bluesは、素朴な12小節形式にニューオーリンズの集団即興美学を凝縮した名曲で、録音史と教育的価値の双方で重要な位置を占める。細部の由来に情報不明な点はあるものの、1923年発のスタンダードとして今日まで息長く演奏され続け、トラディショナル・ジャズの核心を知るうえで欠かせない一曲となっている。