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When I Grow Too Old To Dream (夢見るころを過ぎても)

  • 作曲: ROMBERG SIGMUND
#スタンダードジャズ
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When I Grow Too Old To Dream (夢見るころを過ぎても) - 楽譜サンプル

When I Grow Too Old To Dream (夢見るころを過ぎても)|楽曲の特徴と歴史

基本情報

シグムンド・ロンバーグ作曲、オスカー・ハマースタインII作詞による1934年の楽曲。英題When I Grow Too Old To Dream、日本語題「夢見るころを過ぎても」。1935年のMGM映画The Night Is Youngで紹介され、のちにアメリカン・ソングブックを代表するジャズ・スタンダードとして定着した。

音楽的特徴と演奏スタイル

穏やかなバラードで歌われることが多く、息の長い旋律と柔らかな和声進行が魅力。序奏で自由なルバートを置き、テーマはブラシの2ビートやしっとりした4ビートに乗せる解釈が一般的。ヴォーカルは言葉の余韻を大切にし、器楽は抑制的なダイナミクスやリハーモナイズで色彩を変える。バースを生かしたイントロや、間合いを重視したソロ構成も相性がよい。

歴史的背景

本曲はハリウッド黄金期の流行とともに広まった。ロンバーグは舞台・映画音楽で知られ、ハマースタインIIとの協働により、恋の成熟と記憶を主題とする普遍的なバラードが生まれた。映画での提示を足掛かりに、戦前から戦後にかけてラジオやダンスホールで愛奏され、標準レパートリー化した。こうして映画由来のポピュラー曲がジャズ・シーンへ流入する典型例となった。

有名な演奏・録音

録音は数多く、Louis Armstrongの温かなトランペットと歌、Gracie Fieldsの親しみやすい歌唱、Fats DominoのR&B寄りの解釈などがよく知られる。これらはポップとジャズを横断する多様なアプローチを示し、楽曲の懐の深さを証明している。さらにビッグバンドから小編成コンボ、独奏ピアノまで編成を問わず取り上げられ、世代を超えて録音が重ねられてきた。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・ヴォーカルの定番として取り上げられ、アニバーサリーなど“長く続く愛”を祝う場面で選ばれやすい。教育現場では旋律表現と歌詞のディクション、和声の受け止め方を学ぶ教材として有用で、配信時代に入っても新録が継続的に発表されている。映画・舞台のリバイバルやスタンダード回帰の潮流においても、本曲は安定した存在感を示している。

まとめ

映画発のバラードとして生まれ、時代を超えて磨かれてきた一曲。端正なメロディと普遍的主題が、歌でも器楽でも力を発揮するスタンダードである。シーンや編成を選ばず、成熟した抒情を湛える名曲として、これからも演奏と録音が受け継がれていくだろう。