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Yes Sir, That's My Baby
- 作曲: DONALDSON WALTER

Yes Sir, That's My Baby - 楽譜サンプル
Yes Sir, That's My Baby|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Yes Sir, That's My Baby は、作曲家ウォルター・ドナルドソンと作詞家ガス・カーンによる1925年のポピュラー・ソング。恋人を誇らしげに指し示す軽妙な言い回しが魅力で、その親しみやすさから後にジャズの定番曲として定着した。原題は英語だが、日本では「イエス・サー・ザッツ・マイ・ベイビー」と表記されることが多い。
音楽的特徴と演奏スタイル
明快で口ずさみやすい主旋律と、呼応する“Yes, sir”“No, sir”の決め台詞が印象的。多くのジャズ譜面では32小節のソング・フォームとして扱われ、スウィング感のある中速〜速めのテンポで演奏されることが多い。キーは版や歌手により可変。ビッグバンドではコール&レスポンスのアレンジ、小編成ではコード進行に基づく即興が映える。
歴史的背景
本曲はティン・パン・アレー黄金期の産物で、ダンスホール文化が隆盛した“ジャズ・エイジ”の明るさと機知に富む。1925年の出版後、ダンス・バンドや歌手のレパートリーに広く入り、戦前スウィングの文脈で息長く親しまれた。さらに1949年には同名の映画『Yes Sir, That's My Baby』が公開され、楽曲の知名度を新たな世代へと拡げた。
有名な演奏・録音
初出や個別のチャート情報は情報不明だが、戦前のダンス・バンド、スウィング期のビッグバンド、戦後のポピュラー歌手やジャズ・コンボまで、多数の録音が残る。ヴォーカル曲として知られる一方、器楽曲としても取り上げられ、愉快なテーマを起点にソロが次々と展開される演奏が定番化している。
現代における評価と影響
軽快で覚えやすい旋律、扱いやすいハーモニー、そして観客に伝わるフックの強さから、現在もステージやセッションで選ばれる機会は多い。1920年代の雰囲気を喚起する選曲としてショウやレビュー、レトロ志向の企画でも重宝される。1925年作品であるため、米国では2021年以降パブリックドメイン入りしており、再解釈や映像での活用も進む。
まとめ
Yes Sir, That's My Baby は、1925年発のキャッチーなポピュラー曲がジャズ・スタンダードへ昇華した好例である。シンプルで洒脱、時代を超えて歌えて演奏できる普遍性が魅力。入門者からベテランまで、レパートリーに加えておきたい一曲だ。