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Blackbird

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#洋楽ポップス
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Blackbird - 楽譜サンプル

Blackbird|歌詞の意味と歴史

基本情報

ビートルズの「Blackbird」は、作曲クレジットがLENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES。1968年発表のアルバム『The Beatles(通称ホワイト・アルバム)』に収録。ポール・マッカートニーの単独ボーカルとアコースティック・ギターを中心に、足踏みのリズムと鳥のさえずり効果音を重ねた簡潔な編成が特徴。録音はロンドンのEMIスタジオ(現アビーロード・スタジオ)で行われた。

歌詞のテーマと意味

歌詞は“黒い鳥”をメタファーに、逆境からの自立と希望を描く。作者の発言によれば、当時のアメリカ公民権運動、とりわけ差別に直面する人々への連帯を念頭に置いたという。静かな語り口ながら前向きなメッセージ性が強く、聴き手が自分の境遇に重ねやすい普遍性を持つ。直接的なスローガンではなく、寓意を通じて解放の感覚を喚起する点が魅力だ。

歴史的背景

制作は1968年の社会的不安が渦巻く時期。マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺など緊張が高まる中、ポールはニュース報道に触発され楽曲の核を固めたと語っている。ギターのフィンガーピッキングは、若い頃にジョージと弾いたバッハ『ブーレ ホ短調』の分散和音をヒントに再構築したもの。クラシック的発想をポップに落とし込んだ設計が、素朴さと洗練を同居させている。

有名な演奏・映画での使用

本作はポールのソロ公演で定番レパートリーとなり、1991年のMTV Unpluggedでも披露。映画では『アクロス・ザ・ユニバース』で劇中歌として用いられ、カバーではサラ・マクラクランらが公式音源を残している(例:映画『アイ・アム・サム』サウンドトラック)。ジャズやクラシック系奏者による器楽アレンジも多い。

現代における評価と影響

発表から半世紀を経ても、新規リスナーを獲得し続ける理由は、簡潔なメロディと奥行きある寓意の両立にある。ギタリストにとってはフィンガーピッキングの教材として定番で、オープンマイクやオーディションでも選曲されやすい。メディアの名曲ランキングで繰り返し言及され、ポップ史におけるアコースティック名曲の基準点として評価が定着した。

まとめ

Blackbirdは、ミニマルな編成で普遍的な希望を響かせる1968年の小品にして傑作。クラシック由来の手法と詩的メタファーが結びつき、時代やジャンルを超えて歌い継がれてきた。初めて聴く人には、ギターの分散和音と間合い、そして静けさの中に潜む力強さに注目してほしい。