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Come Together

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#洋楽ポップス
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Come Together - 楽譜サンプル

Come Together|歌詞の意味と歴史

基本情報

Come Togetherは、ビートルズのアルバム『Abbey Road』(1969年)のオープニング曲。作曲・作詞はクレジット上レノン=マッカートニーで、主唱はジョン・レノン。ミニマルなベース・リフとタイトなドラム、低く呪術的なボーカルが生むスワンプ・グルーヴが特徴で、バンド後期の成熟したサウンドを象徴する。シングルは「Something」との両A面として発表され、全米1位を獲得。プロデュースはジョージ・マーティン、録音はロンドンのEMIスタジオで行われた。

歌詞のテーマと意味

歌詞は断片的な人物像と符牒(シンボル)が連なるコラージュ的手法で、明確なストーリーよりも語感とイメージで聴き手を導く。呼びかけのフレーズが合図となり、バンドの一体感や「集う」ことのエネルギーを喚起する一方、軽い諧謔や内輪の言及も散りばめられている。レノン自身が言葉遊びとリズムの快楽を重視していたことから、固定化された唯一解は存在しないと解釈されることが多い。全体としては、個を寄せ合い共振させるロック・バンドの身体性を象徴するテキストと言える。

歴史的背景

着想は1969年、心理学者ティモシー・リアリーの選挙スローガン依頼から始まり、後にビートルズの曲として再構築された。『Abbey Road』期はメンバー間の緊張が高まる一方で、録音技術とアレンジは円熟。低速のグルーヴ、音数を絞ったアンサンブル、空間を生かすプロダクションが、アルバムの幕開けに独特の湿度と重心の低さを与えた。また、歌詞の一節がチャック・ベリー作品との類似を指摘され法的問題となり、のちに和解した経緯でも知られる。

有名な演奏・映画での使用

本曲は数多くのアーティストにカバーされ続ける。エアロスミスが1978年の映画『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』で披露し、マイケル・ジャクソンは映像作品『Moonwalker』で自身のバージョンを歌唱。映画『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)でも劇中歌として取り上げられた。さらに、映画『ジャスティス・リーグ』(2017)ではギャリー・クラーク・ジュニアとJunkie XLによるカバーが使用され、世代を超えて再解釈が進んでいる。

現代における評価と影響

Come Togetherはローリング・ストーン誌などの名曲リストで繰り返し高評価を獲得。ファンクやオルタナ、トリップホップに接続する遅めのテンポと粘るビート、音空間のミニマリズムは、ロック以外のジャンルにも影響を与えた。ライブやカバーでの再現性が高く、ベース・リフを軸に自由に質感を変えられる点も現場で支持される理由。結果として、作品は時代を超えたクラシックでありながら、常に現在形で鳴り続ける稀有なポップ・ソングとして位置づけられている。

まとめ

ミニマルなグルーヴ、象徴的な歌詞、洗練されたサウンドデザインが結晶したCome Togetherは、『Abbey Road』の入口でありロックの奥行きを示す扉でもある。発表当時の時代性を超え、カバーや映像作品を通じてアップデートされ続けることで、普遍性と同時に現在性を保っている。だからこそ、この曲は“集う”という行為のエネルギーを今なお最短距離で伝えるのである。