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Here There And Everywhere

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#洋楽ポップス
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Here There And Everywhere - 楽譜サンプル

Here There And Everywhere|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Here There And Everywhere」は、1966年に発表されたビートルズのスタジオ・アルバム『Revolver(リボルバー)』収録曲。作曲クレジットはLennon–McCartney。ロンドンのEMIスタジオで録音され、プロデューサーはジョージ・マーティン。穏やかなテンポと親密なトーンを持つラブ・バラードで、三声のコーラスが大きな魅力となっている。シンプルな編成ながら、緻密なアレンジが施された名曲として広く知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、愛する相手とどこにいても共にありたいという献身と親密さを静かに語る。日常のささやかな瞬間を大切にする視点が貫かれ、誇張を避けた表現が成熟した愛のニュアンスを伝える。メロディは柔らかく上昇し、コーラスの重なりが誠実さと温もりを補強。大げさなドラマではなく、寄り添う気持ちを丁寧に描いたラブ・ソングである。

歴史的背景

本作が生まれた1966年は、ビートルズがライヴ中心からスタジオ制作へ重心を移し、音響的探求を深めた時期。ポール・マッカートニーは同時期のビーチ・ボーイズから受けた刺激を公言しており、柔らかなハーモニー運用や色彩感のある和声がその志向を反映している。アルバム『リボルバー』の革新性の中で、同曲は内省的で叙情的な側面を担い、作品全体のバランスを支える役割を果たした。

有名な演奏・映画での使用

オリジナル音源はスタジオ・ワークの精妙さが魅力だが、解散後はポール・マッカートニーのソロ公演でしばしば披露され、世代を超えて親しまれている。カバーはポップ、ジャズ、カントリーなど幅広い分野に及び、アレンジの自由度の高さを示している。映画での顕著な使用については情報不明。だが結婚式や記念日の定番曲として定着し、生活の儀礼空間でも強い存在感を持つ。

現代における評価と影響

本作は、メロディと和声、コーラスが高密度に統合された模範例として、音楽家や批評家から長年にわたり称賛されてきた。多くの名曲ランキングや評価リストにたびたび選出され、ポールのソングライティングの成熟を示す代表曲と見なされることが多い。ミニマルな編成でも感情の深みを引き出す設計は、後続のシンガー・ソングライターやポップ・バラードの作法に影響を与えた。

まとめ

「Here There And Everywhere」は、派手さよりも親密さを選んだ表現で、普遍的な愛の感情を丁寧に結晶化した曲である。アルバム『リボルバー』の文脈においても、革新性と叙情性の橋渡しを行う重要な一曲。穏やかな時間の流れの中で聴くほど魅力が増し、半世紀以上を経ても鮮度を失わない普遍性が、現在まで支持され続ける理由だ。