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Long Tall Sally

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#R&B#洋楽ポップス
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Long Tall Sally - 楽譜サンプル

Long Tall Sally|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Long Tall Sally」は、1950年代半ばのロックンロールを代表する高速ナンバー。強烈なシャウト気味のボーカル、ピアノとギターが駆け抜けるビート、12小節ブルースを基調にしたシンプルかつ爆発的なフォームが特徴です。オリジナルはリトル・リチャードによる録音で広く知られ、その後多くのアーティストがカバー。ビートルズも1964年に公式録音を残し、ライヴの切り札として長く演奏しました。なお、作曲クレジットには資料間で差異が見られる場合があり、今回の入力ではLENNON/McCARTNEYが作曲者として示されています。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、背が高くエネルギッシュな女性“サリー”をめぐる騒動をコミカルに描きます。テンションの高い語り口とリズムの切れ味が一体となり、若者文化の開放感、スピード感、そしてダンスフロアの熱狂をストレートに伝える構図。具体的な人名や関係性が登場する一方で、道徳的教訓を説くのではなく、瞬間の興奮と身体性を祝福するロックンロール的世界観が核にあります。言葉の畳みかけとブレスの短さが、逃げるように駆け抜ける物語性を補強し、聴き手の高揚を喚起します。

歴史的背景

曲が広まった1950年代は、R&Bとゴスペルの熱量がポップ市場へ交差し始めた転換点。独立系レーベルが牽引した録音文化と、ラジオの拡散力が若い聴衆を一気に巻き込みました。リトル・リチャードのパフォーマンスは、その象徴として強い存在感を放ちます。イギリスではビートルズがこの曲をレパートリーの核に据え、ハンブルク時代からのライヴ経験を背景に、驚異的な速度と声域で再解釈。こうしてアメリカ発のロックンロールが、ブリティッシュ・インヴェイジョンを通じて世界規模に再輸出されました。

有名な演奏・映画での使用

リトル・リチャードのオリジナル録音はもちろん、ビートルズの1964年EP「Long Tall Sally」に収録されたテイクは、ポール・マッカートニーのハイトーンが火を噴く代表的名演として評価が定着。ライヴでもセットの締めとして頻繁に用いられました。映像作品では、1987年の映画『プレデター』で印象的に使用され、熱量とスピード感が物語のテンションを高めています。ほかにも多くのロック/R&B系アーティストがカバーし、時代や文脈を越えて継承され続けています。

現代における評価と影響

本曲は、ロックンロールの初期美学—速いテンポ、シャウト、躍動するバックビート—の定型を示すスタンダードとして位置づけられます。歌唱面では、強靭なミックスボイスやフェイク、ブレイクを用いた表現が後続のロック・シンガーに大きな影響を与えました。演奏面でも、ピアノの刻みとギターのリフ、タイトなスネアの連携が、ダンスフロアに直結するドライヴ感の手本として研究対象に。今日に至るまで、ライヴのクライマックスをつくる“速い一曲”の代名詞的存在です。

まとめ

「Long Tall Sally」は、物語性のある軽快な歌詞と、疾走するロックンロールの語法が結晶した名曲です。オリジナルの熱量を礎に、ビートルズをはじめ無数のアーティストが舞台で磨き上げ、映画でも象徴的に用いられてきました。クレジット表記には資料差が見られるため、利用目的に応じて出典の確認が推奨されますが、楽曲がもたらした表現上の革新と影響力は揺るぎません。今なおプレイリストやライヴで生き続ける、ロックンロールの原点のひとつです。