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Norwegian Wood
- 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES

Norwegian Wood - 楽譜サンプル
Norwegian Wood|歌詞の意味と歴史
基本情報
ビートルズのNorwegian Wood(副題: This Bird Has Flown)は、1965年のアルバム『Rubber Soul』収録曲。作曲・作詞はレノン=マッカートニー、プロデュースはジョージ・マーティン。アコースティック主体のサウンドにジョージ・ハリスンのシタールが加わり、ジョン・レノンのリードにポールのハーモニーが寄り添う。初期テイクは『Anthology 2』に収録。
歌詞のテーマと意味
出会った女性の部屋を訪ねた語り手が、もてあそばれるように一夜を過ごし、翌朝ひとり残されるという筋。室内の「ノルウェー材の木製家具」を示す題名が、冷ややかなムードや皮肉を強める。最後の「火」に関する描写は解釈が分かれ、暖を取ったのか、象徴的な破壊なのかは情報不明で、決定づける作者の発言も情報不明。
歴史的背景
中期ビートルズはフォークロックや内省的な作風へ舵を切り、『Rubber Soul』はその転換点となった。ハリスンはラヴィ・シャンカルに触発されインド音楽への関心を深め、本曲でシタールを本格導入。西洋のポップ・フォームに東洋の音色を溶け合わせる試みは、後のワールドミュージック的潮流の先駆けとされる。
有名な演奏・映画での使用
代表的カバーとして、セルジオ・メンデス&ブラジル’66によるボサノヴァ解釈が広く知られるほか、ジャズ・トリオやソロ・ギター編成でも定番曲となっている。映画での使用についての確証ある情報は情報不明。公式音源では、別テイクが『Anthology 2』に収録され制作過程の一端が聴ける。
現代における評価と影響
ロックにシタールを導入した初期の例として、ラガ・ロックの源流に位置づけられることが多い。ミニマルで寓話的な語り口はシンガー・ソングライターの文体にも影響を与え、日本では村上春樹『ノルウェイの森』の題名の由来としても知られる。各種「名曲」リストでも常に高い評価を受ける。
まとめ
簡潔な旋律、アコースティックな質感、そして異文化の音色が交錯する本作は、ポップ・ソングの表現域を拡張した一曲である。歌詞の余白が生む多義性は聴き手の想像力を喚起し、発表から半世紀を経ても新鮮さを失わない。初めて聴く人にも、制作背景を知ることで一層の魅力が立ち上がるはずだ。