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You Won't See Me

  • 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES
#ビートルズ#洋楽ポップス
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You Won't See Me - 楽譜サンプル

You Won't See Me|歌詞の意味と歴史

基本情報

「You Won't See Me」は、ビートルズが1965年に発表したアルバム『Rubber Soul』収録の一曲。作詞作曲はレノン=マッカートニーの連名で、The Beatles名義ではシングル発売はない。軽快な4/4のビート、躍動するベース、厚みのあるコーラスが一体となり、アルバム中盤の流れを支える重要曲とされる。制作やパート配分の細部には諸説があるが、本記事では公式クレジットに基づく概要を中心にまとめる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、相手が連絡を拒み姿を見せない状況に置かれた語り手の苛立ちと孤独を描く。コミュニケーションの断絶、誤解の積み重ね、待ち続ける徒労感が、印象的なコーラスの反復で強調される。明確な物語設定や固有名詞は避けられ、普遍的な「すれ違い」と「無視」の感情に焦点を当てるため、聴き手は自身の経験を重ね合わせやすい。直接的な非難に終始せず、未練と自己省察もにじむ点が共感を呼ぶ。

歴史的背景

『Rubber Soul』期のビートルズは、初期のポップ路線から作家性の深化へと舵を切っていた。フォーク・ロックやモータウンの影響を吸収し、メロディとベースの相互作用、密度の高いコーラスを追求。本曲もモータウン的なグルーヴ感をまとい、当時のバンドの進化を示す。1965年という時代性—英米ポップの高度化とアルバム志向の強まり—の中で、単体のヒットではなくアルバム全体の物語性を支える役割を果たした。

有名な演奏・映画での使用

代表的なカバーとして、カナダの歌手アン・マレーが1974年に発表したバージョンがあり、全米チャートでトップ10入りのヒットを記録したことで知られる。ほかにも多数のアーティストに取り上げられているが、網羅的な一覧は情報不明。映画・ドラマなど映像作品での顕著な使用例についても情報不明。

現代における評価と影響

今日では『Rubber Soul』の深いカタログを象徴する一曲として、批評家やミュージシャンに評価される。ポール・マッカートニーのメロディックなベース運びと、三声コーラスの精妙な重なりは、後続のポップ・ロックに影響を与えたとされる。アルバム志向のリスニングが重視されるなか、本曲は作品全体の流れを牽引する“結節点”として語られ、ストリーミング時代でも継続的に聴かれている。

まとめ

「You Won't See Me」は、関係の断絶を描く普遍的な歌詞と、モータウン由来の推進力あるアンサンブルが融合した名曲。シングル未発売ながら、後年のカバー成功や現在の評価がその価値を裏づける。『Rubber Soul』の成熟したサウンドを理解するうえで、欠かせない一曲だ。