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Adoro

  • 作曲: MANZANERO CANCHE ARMANDO
#カンツォーネ#洋楽ポップス
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Adoro - 楽譜サンプル

Adoro |歌詞の意味と歴史

基本情報

Adoro は、メキシコの作曲家アルマンド・マンザネロによるボレロの代表曲。作曲・作詞は本人で、発表は一般に1967年とされる。原語はスペイン語、テンポはミディアムスロー、柔らかな旋律線と穏やかなハーモニーが特徴。親密な愛情を静かに讃えるテキストと、上質なラテン・バラードの文法を備え、マンザネロの作家性を象徴する一曲として高く評価されている。

歌詞のテーマと意味

本作の核は、恋人や共有した時間・場所・沈黙までも慈しむ繊細な愛の告白にある。冒頭から敬愛の言葉を反復し、相手のしぐさや声色、出会いの記憶を具体的に挙げながら、情感を段階的に高める構成。誇張に流れず、日常の細部を美しく照らす語り口が特徴で、幸福感の中にほのかな切なさを漂わせる。直接的な官能描写よりも、節度ある比喩と音節のリズムで親密さを生む点が、今日まで愛唱される理由の一つである。

歴史的背景

1960年代後半は、伝統的ボレロがポップス的洗練を取り入れて再活性化した時期。ユカタン出身のマンザネロは、気品ある旋律と都会的ハーモニーでジャンルを現代化した作家として知られ、Adoro もその潮流を代表する。ラジオやテレビの普及と相まって広く親しまれ、ラテン圏におけるロマンティック・バラードの定型を更新した。

有名な演奏・映画での使用

作者自身による録音やコンサートでのセルフカバーが広く知られ、数多くの歌手が各国で取り上げてきた。スペイン語を中心に、多言語版やジャズ寄りの解釈、ギター伴奏による親密な編成まで幅広いアレンジが存在する。具体的な映画やドラマでの使用については情報不明。網羅的な録音の発売年・チャート情報も情報不明である。

現代における評価と影響

Adoro は、ボレロが持つ節度と官能の均衡を、洗練された旋律運びと穏やかな和声で提示する教材的名曲として、歌手・演奏家のレパートリーに定着している。伴奏はシンプルでも映えるため、ギター弾き語りや小編成でのカバーに適し、結婚式や記念日のスタンダードとしても息長く愛される。若い世代のシンガーが取り上げることで、ラテン・バラードの伝統を現在へ橋渡しする役割も担っている。

まとめ

マンザネロの職人的ソングライティングが冴える Adoro は、親密な告白と上品な旋律美で時代を超えて支持されるボレロの金字塔。歌詞の細やかな描写と音楽の節度が相まって、聴くたびに新たな余韻を残す。入門者にも愛好家にも薦めたい、ラテン名曲の定番である。