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Sweet Leilani

  • 作曲: OWENS HARRY
#ハワイアン#洋楽ポップス
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Sweet Leilani - 楽譜サンプル

Sweet Leilani |歌詞の意味と歴史

基本情報

Sweet Leilani は、作曲家ハリー・オーウェンズが自身の娘の誕生をきっかけに書いた楽曲として知られる。ハワイの情緒をたたえたメロディと優しいバラードの性格を持ち、ポピュラー/ハワイアンの定番曲となった。1937年公開の映画『Waikiki Wedding(邦題:ワイキキの結婚)』で広く知られるようになり、同作で披露されたバージョンは大ヒット。楽曲はアカデミー賞歌曲賞を受賞し、20世紀前半のアメリカにおけるハワイアン・ブームを代表する一曲として定着した。作詞者は情報源により表記揺れがあるが、ハリー・オーウェンズ自身が言葉と音楽を手がけたものとして知られている。

歌詞のテーマと意味

タイトルのLeilaniはハワイ語で「天の花飾り(レイ)」や「神聖なレイ」を意味し、愛情と祝福の象徴として用いられる。歌詞は、やわらかな月光や南国の自然を思わせるイメージとともに、慈しみや讃美の感情を穏やかに描く。子守歌のような包容感を帯び、特定の物語よりも、愛おしさや優雅さを静かに讃えるタイプのテキストが中心である。具体的な状況描写より、音の響きと語感、比喩によって情景を喚起する構成で、旋律の伸びやかさと相まって、聴き手に普遍的な安らぎをもたらす点が特徴といえる。

歴史的背景

1930年代のアメリカでは、ハワイ音楽がラジオやダンスホールを通じて人気を博した。ハリー・オーウェンズはロイヤル・ハワイアンズを率い、洗練されたアレンジで本土の聴衆にも親しまれるスタイルを確立。Sweet Leilani はその潮流の中で誕生し、映画という強力なメディア露出を得て、ハワイアン・メロディが全米規模で受容される契機の一つとなった。映画音楽とポピュラー・ソングの相互作用が顕著になった時期の成功例として、音楽産業の歴史においても重要な位置づけを持つ。

有名な演奏・映画での使用

代表例はビング・クロスビーが映画『ワイキキの結婚』で披露した歌唱で、これが決定的な普及の起点となった。同作での使用によって一般人気が爆発し、クロスビーの録音は時代を象徴するヒットとなる。その後も、多数の歌手やハワイアン・バンドが取り上げ、バラード、スチールギターを活かしたアレンジ、インストゥルメンタルなど多彩な解釈が生まれた。ポピュラー歌手ではアンディ・ウィリアムスのカバーがよく知られ、映画以後もコンサートやアルバムで継続的に演奏されてきた。

現代における評価と影響

Sweet Leilani は、ハワイアンのレパートリーにおけるスタンダードとして定着し、ウクレレやスラック・キー・ギター、スチールギターなどの特徴的な奏法と相性が良い楽曲として支持される。結婚式や記念日など、祝福の場で選ばれる曲目としても根強い人気を持ち、教育現場やアンサンブルでも取り上げられる機会が多い。映画発のヒットが時代を超えて歌い継がれるという好例であり、メロディと語の響きが普遍的な魅力を保ち続けている点が高く評価されている。

まとめ

娘への愛情を起点に生まれ、映画を通じて世界的な名曲となったSweet Leilani。優美なメロディと祝福を帯びた言葉が結びつき、ハワイアン・ポップの象徴として今なお親しまれている。歴史的意義と音楽的普遍性を兼ね備えた一曲である。