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Aloha Oe

  • 作曲: QUEEN LILI'UOKALANI
#ハワイアン
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Aloha Oe - 楽譜サンプル

Aloha Oe |歌詞の意味と歴史

基本情報

Aloha Oe(アロハ・オエ)は、ハワイ王国最後の君主リリウオカラニ女王が作曲・作詞した代表的なハワイアン・ソング。発表は1878年頃とされ、別れの挨拶を歌う旋律美で世界に広まりました。原語はハワイ語で、儀式や学校行事、観光の場でも頻繁に演奏されます。一般的な演奏ではウクレレやスチールギター、合唱が用いられます。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“アロハ”は単なる「こんにちは・さようなら」ではなく、愛・思いやり・平安まで含む多義語。歌は別れの瞬間に宿る慈しみを、自然描写とともに静かに紡ぎます。山々の稜線や香る花、そよ風の感触などが、去りゆく相手への名残惜しさと敬意を象徴し、再会への祈りをにじませます。直接的な悲嘆よりも、気品ある余韻で感情を伝える点が特徴です。

歴史的背景

作曲の契機はオアフ島マウナヴィリで目にした別れの場面と伝えられます。作品自体は王国崩壊前に書かれましたが、のちに王政終焉の記憶とも重なり、ハワイのアイデンティティを映す象徴歌として受け止められるようになりました。王女として教養に富み、多数の楽曲を遺したリリウオカラニの創作力を示す一曲でもあります。

有名な演奏・映画での使用

「Aloha Oe」は録音草創期から多くの歌手・合唱団・器楽団によって取り上げられ、さまざまなテンポや編成で親しまれてきました。合唱、合奏、ソロのいずれでも成立し、送別式、卒業式、観光イベント、ホテルのショーなど公私の場で幅広く演奏されます。映像作品でもハワイや別れの情景を象徴する音楽として用いられる例が見られます。

現代における評価と影響

今日ではハワイアンの基本レパートリーとして世界中の合唱団やウクレレ愛好家に学ばれ、教育現場でも題材になります。穏やかな三拍子の揺れと、覚えやすい旋律線は世代を超えて歌い継がれ、ストリーミング時代にも安定した需要を持続。観光プロモーションや地域コミュニティの場でも、ハワイ文化の尊厳と温かさを伝える曲として機能しています。

まとめ

シンプルな和声と気品あるメロディ、そして“アロハ”の精神を体現する歌詞によって、「Aloha Oe」は時代と地域を越えて愛されてきました。作曲者であるリリウオカラニ女王の歴史的背景を踏まえることで、単なる別れの歌を超え、文化的記憶を担う名歌としての重みがいっそう明瞭になります。