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Always In My Heart ( Siempre En Mi Corazon)

  • 作曲: LECUONA CASADO ERNESTO
#洋楽ポップス#ラテン
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Always In My Heart ( Siempre En Mi Corazon) - 楽譜サンプル

Always In My Heart ( Siempre En Mi Corazon)|作品の特徴と歴史

基本情報

Always In My Heart(スペイン語原題: Siempre en mi Corazon)は、キューバの作曲家エルネスト・レクオーナによる映画主題歌。英語詞はKim Gannonによるもので、1942年公開の同名映画で用いられた。温かな旋律と切ない和声進行を持つロマンティックなバラードで、スペイン語と英語の二つの言語圏で知られる点も特筆される。出版年は1942年、詳細な初演者や初録音の情報は情報不明だが、当時の映画音楽とポピュラーソングの橋渡しを担った一曲として位置づけられる。

音楽的特徴と表現

レクオーナ特有の歌心あふれる旋律線に、緩やかなダンス感覚が潜むのが本曲の核だ。キューバ由来のハバネラやボレロのニュアンスを遠景に感じさせつつ、ハリウッドのストリングスを想起させる豊麗な和声とオーケストレーションに馴染む設計。前半は静かに語り、サビで情感を大きく開くコントラストが劇的効果を生み出す。歌唱ではレガートを重視し、フレーズ終端のルバートが言葉の親密さを強める。調性は情報不明だが、半音階的な導音処理とセカンダリードミナントが、郷愁と期待感を巧みに演出している。

歴史的背景

1940年代初頭のアメリカ映画界は、移民作曲家やラテン音楽の影響を積極的に取り入れ、国際色豊かなサウンドを築いていた。レクオーナは舞台・映画・サロン音楽で既に名声を確立しており、本曲もその潮流の中で生まれた。戦時下の観客が求めたのは安らぎと希望であり、心情に寄り添う旋律と普遍的な愛のモチーフは大衆の支持を得た。音楽産業のメディア横断(映画・ラジオ・レコード)が進むなか、作品は映画の枠を越えて広く普及した。

使用された映画・舞台(該当時)

本曲はワーナー・ブラザースの映画「Always In My Heart」(1942年)で主題歌として使用された。劇中では愛と別離、再会への希求といった感情の軸を担い、物語の象徴的モチーフとして再帰的に現れる。アカデミー賞主題歌賞にノミネートされ、作品の認知を一段と高めた。具体的な劇中シーンや歌唱パートの詳細、初公開時の舞台上演の有無は情報不明だが、公開当時の宣伝材料において主題歌が前面に打ち出されたことは史資料で広く認められている。

現代における評価と影響

Todayでもラテンの香りを湛えた古典的バラードとして評価され、英語版・スペイン語版の双方でレパートリー化が進む。複数の歌手・楽団による録音やコンサート演奏が存在するが、網羅的な代表録音リストは情報不明。映画音楽とラテン楽曲の交差点に立つ本曲は、ボレロ系バラードのスタンダード的役割を担い、映画とポピュラーの境界が緩やかであった時代精神を今に伝える。編曲面ではストリングスを基調に、ピアノやギターを加えると作品の原色が際立つ。

まとめ

Always In My Heart(Siempre en mi Corazon)は、レクオーナの旋律美とハリウッド黄金期のサウンドが結実した映画主題歌である。言語と文化をまたぐ普遍性、情感豊かなバラード設計、そして映画との緊密な関係性が長い生命力を支えてきた。初演や特定の名録音の詳細は情報不明な点もあるが、1942年の映画公開とアカデミー賞ノミネートという確かな履歴が、作品の歴史的重みを物語っている。