あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

Patricia

  • 作曲: PRADO DAMASO PEREZ, PEREZ PRADO DAMASO, PRADO PEREZ
#洋楽ポップス#ラテン
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Patricia - 楽譜サンプル

Patricia |楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Patricia」は、ダマソ・ペレス・プラードが作曲したインストゥルメンタルのマンボ。発表は1958年で、原題はそのまま「Patricia」。歌詞は存在せず、メロディはブラス・セクションを中心に堂々と歌い上げられる。ラテン・ダンスの現場で広く演奏される定番曲であり、社交ダンスやビッグバンドのレパートリーとしても浸透している。初出のシングル情報やレーベル詳細、初出アルバムについては情報不明。演奏時間も版により差があり、標準的な長さの正確な数値は情報不明である。

音楽的特徴と演奏スタイル

核となるのはマンボ特有の2-3(または3-2)クラーベに基づく推進力。コンガ、ボンゴ、ティンバレス、カウベルが織り成す多層的パルスに、ピアノのモントゥーノとベースのオスティナートが絡み、ダンスに最適なグルーヴを生む。ブラスは明快なユニゾン・リフと力強いスタッブで空間を切り拓き、サックスやトランペットがコール&レスポンスを形成。セクションごとのコントラストとブレイクの配置により、緊張と解放が立体的に展開される。旋律は覚えやすく、リズムのシンコペーションが耳に残るため、入門者にも訴求力が高い。編成はラテン・オーケストラの典型で、ブラスの厚みと打楽器群の存在感が作品の個性を決定づけている。

歴史的背景

1950年代、北米と中南米を股にかけてラテン音楽が広く普及し、マンボは大衆文化の中心のひとつとなった。ペレス・プラードは「マンボの王様」と称され、洗練されたアレンジと強靭なグルーヴで国際的な人気を獲得。「Patricia」はそうした潮流の後期を代表する一曲で、ダンスホールやラジオ、ジュークボックスを通じて広く親しまれた。個別のチャート最高位や販売枚数などの詳細データは情報不明だが、当時のマンボ人気を後押しした重要曲として位置づけられる。映像作品での具体的な使用実績についても情報不明である。

有名な演奏・録音

基準となるのはペレス・プラード楽団による1958年の録音で、以後、同楽団の再録やライブ音源、各国のラテン・バンドによるカバーが数多く残されている。ビッグバンド編成での豪快なブラス版から、小編成ラテン・コンボによるダンサブルなアレンジ、ギターやヴィブラフォンをフィーチャーしたポップ寄りの解釈まで、器楽的なバリエーションが豊富だ。代表盤の品番や詳細な録音クレジットは情報不明だが、音質や編成の違いを聴き比べることで、アレンジの妙味がより明確に伝わる。

現代における評価と影響

今日でもラテン・ダンスの定番曲として演奏機会は多く、教育現場ではリズム・トレーニングの教材として参照されることもある。ストリーミングの普及により新規リスナーが増え、DJシーンやヴィンテージ・セットでも活用されている。楽譜やバンドスコアも流通し、学生バンドや地域のラテン・アンサンブルのレパートリーとして親しまれる。耳に残る旋律と明快なグルーヴは、時代を超えて機能し続ける普遍性を示している。

まとめ

「Patricia」は、マンボの魅力を凝縮したインストゥルメンタルの名曲である。打楽器群とブラスの呼応、モントゥーノの持続力、覚えやすい旋律が三位一体となり、ダンスと鑑賞の双方に応える。初めて聴く人は、リズム・セクションのうねりとブラスのキメの対比に注目すると、本曲の骨格が鮮明に感じられるだろう。