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Quien Sera

  • 作曲: BELTRAN RUIZ PABLO,TRACONIS MOLINA LUIS DEMETRIO
#ラテン
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Quien Sera - 楽譜サンプル

Quien Sera|歌詞の意味と歴史

基本情報

Quien Sera(原綴: Quién será)は、メキシコの作曲家パブロ・ベルトラン・ルイスとルイス・デメトリオによるボレロ=マンボ。躍動するラテン・リズムと親しみやすい旋律で世界的に親しまれ、英語詞版「Sway」(作詞: ノーマン・ギンベル)によってポピュラー音楽の定番曲となった。原曲はスペイン語歌唱を前提とした大衆歌で、ダンス・ホールからラジオ、ショウ・バンドまで幅広く取り上げられてきた。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、まだ見ぬ相手への期待と、ダンスを通じて恋が芽生える瞬間への高揚を重ね合わせる。主体は「自分を愛してくれるのは誰か」という問いを起点に、心と身体が揺れる感覚=スウェイを比喩として用い、ロマンティックでありながらも陽気なフロアの空気感を描写する。過度な叙情ではなく、踊りへ誘う直截さが魅力。明快で覚えやすいフックがダンサーとリスナー双方に強く訴えかける。

歴史的背景

1950年代初頭、キューバ由来のマンボが米州全域で大流行。メキシコでもビッグバンド編成のラテン演奏が隆盛し、その波の中で本曲が誕生した。パンチの効いたホーン、クラーベ感覚、シンコペーションが結びついたサウンドは当時の都会文化を映し出し、英語版の登場により北米・欧州へと一気に拡散した。ラテン音楽が国境を越える橋渡し役として、曲自体が重要な位置づけを担った。

有名な演奏・映画での使用

英語版「Sway」はディーン・マーティン(1954)がヒットさせ、その後も数多の歌手が取り上げた。現代ではマイケル・ブーブレ(2003)やThe Pussycat Dollsが映画「Shall We Dance?」(2004)で披露し、新世代のリスナーにも浸透。ほかの具体的な映画使用歴は情報不明だが、社交ダンスの定番としてイベントやテレビ番組で頻繁に用いられる。ラテン・ジャズ系コンボやビッグバンドによる器楽版も人気。

現代における評価と影響

本曲はラテン/ポップ/ジャズの境界を軽やかに越える“ダンス可能なスタンダード”として定着。歌手はテンポやキーを柔軟に選べ、編成もビッグバンドから小編成コンボまで対応可能なため、教育現場のレパートリーとしても重宝される。ボールルームやサルサ系イベントでは入門者にも踊りやすい一曲として評価が高く、プレイリスト常連のクラシックとして生き続けている。

まとめ

Quien Seraは、メキシコ発のメロディとマンボの推進力が生んだ不朽のポップ・ソングである。恋とダンスの喜びをシンプルに伝える普遍性ゆえに、時代や言語を超えて歌い継がれてきた。原曲と英語版の両面から聴くことで、編曲や解釈の広がり、そしてラテン音楽の国際的展開に果たした役割がより立体的に浮かび上がるだろう。