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Breeze And I,The

  • 作曲: LECUONA CASADO ERNESTO
#洋楽ポップス#ラテン
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Breeze And I,The - 楽譜サンプル

Breeze And I,The|楽曲の特徴と歴史

基本情報

本作はキューバの作曲家エルネスト・レクオーナの組曲『アンダルシア』に含まれる「アンダルシア(Andalucía)」を原曲とし、英語詞が付いて「The Breeze and I」として広まった。英語詞はAl Stillman、1940年にアメリカでヒット。原曲は1920年代後半に書かれたとされ、スペイン情緒とラテンのリズム感が核となる。邦題・初演者・初出媒体などの詳細は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

流麗で哀愁を帯びた旋律が特徴。ミディアムのボレロ/ルンバ系のグルーヴに乗せ、冒頭主題は長いレガートで歌われることが多い。ビッグバンドではクラリネットやサックス・セクションが主題を担い、ラテン・パーカッションを加える編成が定番。ジャズでは転調やリハーモナイズで厚みを出し、ボーカル版はブレスの長さとダイナミクスのコントロールが聴かせどころ。

歴史的背景

レクオーナはキューバを代表する作曲家で、サロン音楽と舞曲、クラシックを架橋した存在。スペイン南部アンダルシア地方の風土を題材にした組曲が、米国の音楽産業と出会い、英語詞版としてリメイクされる流れは、1930〜40年代に活発化したラテン音楽受容の潮流を示す。映画やラジオの拡大も、本曲の普及に追い風となった。

有名な演奏・録音

1940年のジミー・ドーシー楽団(歌:Bob Eberly)による全米ヒットが転機。1955年、カテリーナ・ヴァレンテの録音が国際的成功を収め、以降はビッグバンド、ラテン・ジャズ、イージーリスニングまで幅広くカバーされた。指標的な演奏年やチャート順位の細目は情報不明だが、いずれも本曲の普及に決定的役割を果たした。

現代における評価と影響

メロディの普遍性と編曲の自由度から、現在もスタンダードとして演奏機会が多い。ラテンとスウィングの橋渡し教材として音大・ビッグバンドでも好まれ、観客にとっても親しみやすい入門曲になっている。広告・番組BGMなどで耳にすることもあり、世代やジャンルを超えて継承されるレパートリーだ。

まとめ

「The Breeze and I」は、レクオーナの旋律美と英語圏のポピュラー音楽が交差して生まれた名曲。情感豊かな主題とラテンの躍動感は、歌でも器楽でも魅力を放ち、時代を越えて演奏され続けている。作品の詳細記録に未確定点はあるものの、スタンダードとしての地位は揺るがない。