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Tara's Theme

  • 作曲: STEINER MAX
#洋楽ポップス#ムードミュージック#映画音楽
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Tara's Theme - 楽譜サンプル

Tara's Theme|作品の特徴と歴史

基本情報

「Tara's Theme」は、映画『風と共に去りぬ』(1939)のためにマックス・スタイナーが作曲した主要主題で、スカーレット・オハラの故郷タラを象徴するレイトモティーフとして用いられる。オリジナルは器楽曲で、映画全編にわたりテンポや編成を変えて反復・変奏されるのが特色。英題のほか、邦題では「タラのテーマ」として広く知られる。単独で演奏可能な独立楽曲としても扱われ、コンサートや録音で頻繁に取り上げられている。

音楽的特徴と表現

長いアーチを描く旋律線、厚みのあるストリングス、木管やハープの装飾、堂々たるブラスが織りなす豊麗なサウンドが核となる。旋律は穏やかな上昇と下降を交互に配し、郷愁と高揚を同時に喚起する設計。場面に応じてテンポや調性、オーケストレーションが巧みに変化し、静謐な回想から壮大なクライマックスまで幅広い感情を支える。スタイナーの代表的手法であるレイトモティーフ運用が際立ち、主題断片が他の素材と結びつきドラマの心理を補強する。

歴史的背景

1930年代末のハリウッドは大編成オーケストラによるシンフォニックな映画音楽が確立した時代で、スタイナーはその語法を牽引した作曲家の一人である。本作でも後期ロマン派の和声感と映画的時間操作を融合し、物語の規模にふさわしい音響を形成。「Tara's Theme」は複数の主題群の中核として設計され、観客の記憶に残る象徴的メロディとなった。

使用された映画・舞台(該当時)

『風と共に去りぬ』において本主題は、ジョージアの風景描写、タラへの帰還、決意を示す重要場面などで繰り返し登場する。静かな独奏風提示から大編成の壮麗な再現まで、映像のリズムに合わせて配置され、物語の核である「故郷」「生存への意志」を音楽的に定着。主題の再登場は登場人物の感情変化と物語の転換点を明確化し、観客の理解を導く役割を果たす。

現代における評価と影響

「Tara's Theme」は20世紀映画音楽を代表する旋律として国際的に認知され、フィルム・コンサートやサウンドトラック再録で定番化している。後年には歌詞付き編曲「My Own True Love」(作詞:Mack David)が制作され、ポピュラー分野でも普及した。教育や研究の場ではレイトモティーフの典型例、ハリウッド黄金期サウンドの象徴として頻繁に参照されている。

まとめ

「Tara's Theme」は、タラという場所と人物の内面を結び付けることで物語の芯を可視化した名テーマである。映画文脈に根ざしつつ独立曲としても鑑賞に耐え、今日まで普遍的な魅力と分析価値を保ち続けている。