あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

I Can't Believe That You're In Love With Me

  • 作曲: GASKILL CLARENCE,MC HUGH JIMMY
#スタンダードジャズ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

I Can't Believe That You're In Love With Me - 楽譜サンプル

I Can't Believe That You're In Love With Me |楽曲の特徴と歴史

基本情報

I Can't Believe That You're In Love With Me は、作曲ジミー・マッキュー(Jimmy McHugh)、作詞クラレンス・ガスキル(Clarence Gaskill)による1926年発表のポピュラー・ソング。のちに広くジャズ・スタンダードとして定着した。初演の舞台や初録音の詳細は情報不明。形式は32小節のAABA型として扱われることが多く、歌唱・器楽の双方で愛奏される。出版元や初出のショー/映画情報は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

歌いやすい旋律線と、循環進行やii–V進行を要所に配した和声が特徴。Aセクションは平易なステップワイズ主体で、B(ブリッジ)で調性感が緊張・解放する構成が一般的だ。テンポは中速〜やや速めのスウィングが定番だが、バラード処理も行われる。キーはB♭やCで演奏される例が多い一方、歌唱レンジに合わせた移調も日常的。アドリブではモチーフ開発とガイドトーンの明確化が有効で、リハーモナイズとしてトライトーン・サブや裏コードの導入も親和性が高い。

歴史的背景

本曲はティン・パン・アレー黄金期の産物で、ラジオ普及とダンス文化の隆盛に支えられて広まった。1920年代後半からスウィング時代にかけて、ダンスバンドと小コンボ双方のレパートリーに吸収され、戦後のモダン・ジャズ期にもスタンダードとして継承。明快なAABA構成と開放感あるメロディは、時代を超えて演奏者と聴衆の支持を得ている。

有名な演奏・録音

録音は数多い。ヴォーカルではルイ・アームストロング、ビング・クロスビー、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドらの名唱が知られ、歌の存在感を決定づけた。器楽ではアート・テイタムやジャンゴ・ラインハルトなどが、ハーモニーの懐深さと旋律美を異なる角度から提示。スモール・コンボのスウィングからモダン寄りの解釈、ビッグバンド・アレンジまで、編成を問わず取り上げられてきた。

現代における評価と影響

現在もジャム・セッションの定番で、音大やワークショップの教材としても扱われる。ヴォーカリストはフレージングとリリックの運び、器楽奏者はAABAに沿ったコーラス設計とコード・トーンの明確化を学びやすい。録音・譜面も入手容易で、初学者のレパートリー入りから上級者のリハーモナイズ実験まで対応可能な“器の大きい”一曲として評価が定着している。

まとめ

1926年生まれの本曲は、端正な構成と歌心で時代を超えた普遍性を獲得した。歌でも器楽でも映える柔軟性が魅力で、名演の蓄積が学習と創造の両面を後押しする。初出や細部の来歴に一部情報不明点はあるものの、ジャズ・スタンダードとしての価値は揺るがない。