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It's Always You
- 作曲: VAN HEMMY,BURKE JOHNNY

It's Always You - 楽譜サンプル
It's Always You|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「It's Always You」は、クレジット上はVAN HEMMY, BURKE JOHNNYの名が並ぶ楽曲で、ジャズ・スタンダードとして広く親しまれている。発表年は情報不明。恋愛感情を静かに見つめるバラード調で取り上げられることが多く、歌唱曲としての人気はもちろん、インストゥルメンタルでも頻繁に演奏される。楽譜・キーや編成は演奏者や版によって幅があり、セッション現場でも柔軟に解釈されるレパートリーの一つである。
音楽的特徴と演奏スタイル
旋律はレガートで息の長いフレーズが軸となり、言葉の抑揚に寄り添う自然な上行・下行が魅力。和声はアメリカン・ソングブックに典型的な進行を基盤とし、緩やかなテンション使いや副属和音で色彩が付与される。ヴォーカルではルバートのイントロやブレスの間合いが表情を左右し、インストではトランペットやサックスが歌心を重視して旋律を紡ぐ。テンポはバラード〜ミディアム・スローが中心で、終止では9thや13thを含む柔らかな終わり方が好まれる。
歴史的背景
本曲は20世紀中盤のアメリカ流行歌の系譜に連なる一曲で、その後ジャズ・ミュージシャンによって定番化した。ダンスバンドやラジオが音楽流通を支えた時代に広がり、クラブやコンサートでの演奏を通じてスタンダードとしての地位を確立。作曲・作詞の詳細な制作経緯や初演情報は情報不明だが、洗練されたメロディと言葉の親和性が、幅広い歌手・器楽奏者に選ばれる要因となっている。
有名な演奏・録音
フランク・シナトラによる録音は本曲の知名度を高め、のちに多くのシンガーがレパートリーに加えた。チェット・ベイカーは「Chet Baker Sings」などでしなやかな歌唱とトランペットを披露し、バラード解釈の手本として参照されることが多い。さらに小編成コンボを中心に、ギターやピアノのデュオ編も定番化。いずれの版でも、原旋律の美しさを尊重しつつリハーモナイズや間合いで個性を生む演奏が評価されている。
現代における評価と影響
今日では、ヴォーカル・オーディションや音大の実技試験、クラブでのバラード・セットの核として選曲される機会が多い。プレイリスト時代にも親和性が高く、落ち着いた夜のBGMやジャズ入門の入り口として機能。作曲的には、無理のない音域設計と懐の深い和声が学習素材として有用で、表現面ではダイナミクスと間の作り方を学ぶ好例とされる。歌詞の詳細な出典情報は情報不明だが、普遍的な情感が世代を越えて支持されている。
まとめ
「It's Always You」は、歌心あふれる旋律と穏やかな和声が魅力のジャズ・スタンダードである。制作や初出の細部は情報不明ながら、ヴォーカル/インスト双方で演奏しやすく、解釈の幅も広い。名録音を手がかりにフォームと間合いを体得すれば、シンプルな素材から豊かな表現が引き出せる一曲として、今後も長く演奏され続けるだろう。