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Let's Face The Music And Dance

  • 作曲: BERLIN IRVING
#スイング#スタンダードジャズ
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Let's Face The Music And Dance - 楽譜サンプル

Let's Face The Music And Dance|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Let's Face The Music And Dance」は、アーヴィング・バーリンが作曲・作詞し、1936年の米映画『Follow the Fleet』で初披露されたポピュラー・ソング。劇中ではフレッド・アステアが歌い、続いてジンジャー・ロジャースと華麗なダンス・シーンが展開し、一気に注目曲となった。以後、ジャズ・ヴォーカルやビッグバンドの定番として広く演奏されている。

音楽的特徴と演奏スタイル

この曲はミディアム寄りのテンポでスウィングさせる解釈が一般的。メロディは憂いを帯びたフレーズと弾むような上昇感を巧みに交差させ、ダンス・ナンバーでありながら聴かせる楽曲としても魅力がある。小編成コンボでは軽快なウォーキング・ベースとブラシのドラムで気品を保ち、ビッグバンド編成ではブラスのリフやサックス・ソリで華やかさを増す。キーや細部の定型はアレンジにより異なり、決まった版は情報不明。

歴史的背景

公開当時の米国は不況の余波が残り、人々は娯楽に希望を求めていた。歌は、現実の不安があるからこそ音楽とダンスに向き合おうというメッセージを含み、ミュージカル映画の文脈で強い共感を呼んだ。バーリンの流麗な書法は「アメリカン・ソングブック」を代表する作家像を決定づけ、この曲もその柱の一つとなった。

有名な演奏・録音

代表的な演奏には、映画版のフレッド・アステア(1936年)、エラ・フィッツジェラルドの『Irving Berlin Songbook』(1958)、ダイアナ・クラール『When I Look In Your Eyes』(1999)、ウィリー・ネルソンのアルバム『Let's Face the Music and Dance』(2013)などがある。いずれも編曲やテンポ処理が異なり、歌詞のニュアンスを多角的に示している。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・クラブからコンサート・ホールまで幅広く取り上げられ、レパートリー化の度合いは高い。ヴォーカルの表現力やスウィングの基礎を学ぶ教材としても重宝され、世代やジャンルを越えて継承されている。映画・テレビでの採用例の網羅は情報不明だが、ダンスと希望を象徴する楽曲として存在感を保っている。

まとめ

映画発の名曲であり、ジャズ・スタンダードとして成熟した本作は、時代を超えて「音楽と踊りに向き合う」姿勢を語り続ける。シンプルな構造の中に感情の起伏と品格が宿り、入門者にも演奏家にも長く愛される理由がここにある。