アーティスト情報なし
There's No Business Like Show Business
- 作曲: BERLIN IRVING

There's No Business Like Show Business - 楽譜サンプル
There's No Business Like Show Business|楽曲の特徴と歴史
基本情報
アーヴィング・バーリン作曲・作詞による名曲で、1946年初演のブロードウェイ・ミュージカル『Annie Get Your Gun(アニーよ銃を取れ)』で披露されたショーチューン。初演キャストのエセル・マーマンが看板ナンバーとして歌い上げ、舞台内で繰り返しリプライズされる構成が作品全体の推進力を生んだ。のちにジャズ・シーンでも広く取り上げられ、スタンダードとして定着している。
音楽的特徴と演奏スタイル
快活なテンポと明朗なメロディ、観客を鼓舞するコーラスのフックが中心。ヴァース(導入)に続くリフレインというショーチューンの典型を持ち、ブラスのパンチやコール&レスポンスが効果的に映える。ジャズ演奏ではミディアム〜アップのスウィングで軽快に、シンコペーションを効かせたビッグバンド・アレンジや、ウィットあるスキャットを交えたヴォーカルが好まれる。歌詞の全文は割愛するが、内容は舞台芸の喜びと高揚を称えるものだ。
歴史的背景
第二次世界大戦後のアメリカで、ブロードウェイは黄金期へ向かう過渡期にあった。『アニーよ銃を取れ』はその潮流を象徴する大ヒット作で、本曲は“ショービジネスの讃歌”として瞬く間に一般に浸透。さらに1954年のハリウッド映画『There’s No Business Like Show Business』の題名・主題としても用いられ、ポピュラー文化における認知を決定づけた。
有名な演奏・録音
初演のエセル・マーマンによる舞台/キャスト盤は定番。1954年公開の同名映画サウンドトラックでも大団円のアンサンブルとして強い存在感を示す。その後のブロードウェイやウェストエンドのリバイバル公演、ジャズ・クラブやビッグバンドのライヴ録音など、多数の公的・商業録音が残されており、教育現場のレパートリーとしても頻繁に扱われる。
現代における評価と影響
今日では“ショービジネスそのものを象徴する歌”としてイベントのオープニングやカーテンコール、ガラ・コンサートでのアンセム的選曲が定着。舞台芸術の歴史を語る上での必修曲とみなされ、ジャズ/ミュージカル双方の橋渡し役を果たしている。フレーズ自体が慣用句化し、メディアの見出しや広告コピーにも引用され続けている。
まとめ
『There’s No Business Like Show Business』は、舞台の興奮と歓喜を凝縮したショーチューンにして、ジャズでも映える不朽のスタンダード。初演以来の輝きは色褪せず、時代や編成を超えて再解釈される余地を多分に残している。作品理解の入口として、まずはオリジナルと映画版の両方を聴き比べたい。